・猫主の夢小説だよ！
・名前変換機能なんて無いから、マオ表記だよ！
・猫（？）だからCP無いよ！
・ところでそろそろこの説明無くてもいいかな？
・いちいちネタを考えるの大変なんだよね……
・ネタバレするよ！
・オチなし山なし意味なしだよ！
・淡々としているよ！
・キャラがほとんど出てないぞ！
・猫主は超能力を使えるぞ！

マオは二十分程してほ乳類らしき影の所に到着した。
そのほ乳類は今までにマオ訪れたどの世界でも見た事がない生き物だった。
砂漠の狐・フェネックを思わせる肢体だが、それよりも二周り以上小さい。
特徴的なのはファーのような白い首巻きにアクアマリンのような淡い青緑をした瞳と金色の毛並みに入った栗色の模様が印象的な尾だ。
意識はなく、くったりとしている。
マオは上手いこと首根っこを銜えて、高速で移動し始めた。
気を失ってくれているので、抵抗も無く楽チンだ。
何度目かのテレポートを繰り返し終えた時だ。

『ガアアアアアア』
《ヘルプ！！》

大きな蠅のような蟲がテレポート先に大きく口を開けていたのだ。
なんともタイミング悪くその脚に連れごと絡めとられた。
もう一度行おうにも、燃費の悪いテレポートを繰り返すのはあまり望ましくない。
このまま蟲にある程度運んでもらい、捕食されそうだったら逃げればいいかなという思考にまで行き着く。
彼らは基本的に動物を食べることは死骸や特例を除き食べない事が接触感応で解った。

《しばらく蟲の旅と洒落込むかな》

そう、そうしばらく蟲に揺られ、腐海の旅へ。
平穏だった。
そう、しばらくは。

パーーーーーーーーン

銃声が木霊する。
蟲が悲鳴を上げ、腕に持っていたマオ達を手放した。
万有引力の作用により落下することになる。

《なんて、デジャビュ》

呑気な様子だが、地上十数メートルより高い所からの自由落下である。
これが空を飛ぶ術のない生き物なら、死亡確実もしくは重傷は確実だろう。
落下先には哺乳類＿＿＿人間の男がいた。
難なく二匹を抱え、その男が連れていたダチョウの様な陸上を走ることに特化した鳥らしき生き物に飛び乗った。
マオ達を運んでいた蟲がほどなく腐海の菌の柱に激突した。
そしてそう間を置かずに森が怒りに満たされる。

＿＿＿コロシタ
＿＿＿コロシタ！
＿＿＿ユルサナイ
＿＿＿ユルサナイ！！
＿＿＿コロス
＿＿＿コロス
＿＿＿コロス

怒り狂った森の命は、蟲を殺した者を悪鬼のごとく追い始める。
一匹二匹とした数も時間が経過するごとに、その数がおびただしいものになる。
逃げる男は焦っているのをマスクで覆い隠されていても、マオには感じ取れた。

（迷っている）

この森はマオの知る普通の森と違い、入り組み密に生え、方向感覚を失わせる。
陽射しがほとんど射し込まないのも、迷わせる原因の一つだろう。
男は藁にも縋る思いで持って銃＿＿これもマオが見たものの仲では古い型をしている＿＿で打ち上げる。

ヒュルルルルルル

紫色の煙が軌跡を描く。
次いで、同じ様な音が遠くから響き、頭上を淡い橙色の煙が走る。
なんらかの合図だったのだろう。
男は走っていた方向を替え、再び走らせる。
行き先に渇いた砂漠が見えた頃、斜め後ろから大きな破壊音を伴いながら、近づいて来ている。

（嫌な予感しかしないなー）

森を抜けると、音の主の全貌が明らかになった。
巨大なダンゴムシだ。
二十個近い丸いドーム状の瞳とその大きさがダンゴムシと逸脱しいる。
ちょっとしたビルよりも優に大きい。
その目は鮮やかな赤をし、怒り狂っている。
説得を早々に諦めたマオは成り行きに身を任せる。
森を抜けようとも追いかける巨体は、段々と距離を縮めて来ている。
ふと視界の端に白い鳥の様なものが映ったと思えば、男と並ぶように滑空し、『風上へ！！』とだけ行くと後ろへと消える。
男はさらに速度をつけ、風上の砂丘一山越え、転げるように隠れた。
閃光と爆音が後を追う。
数秒の静寂が辺りに降りた、そこに高いヒューーーーーという音だけが柔らかく鳴る。
憤怒の思念を放っていた蟲が静まり、遠くなる。

「ふう」
《助かったー》
「まったく……じゃ…………？」

マオの呟きに感慨深く答えた男が驚く。
まあ、それも仕方あるまい。
人間が男一人しかいないのだから、他の声が混じる方がおかしいのだ。

《ども》
「……は…………？？？」

これが世に知られたる剣士・ユパと旅する猫・マオとの貴重なファーストコンタクトである。
後々、笑い話の一つとして話にあがる場面の一つだ。


つづく

120625
あとがき
ようやく、ナウシカキャラ登場です。
これどう収拾をつけましょう。
原作verだと大体の考えを纏めてあるんですけどね。
まぁ、基本猫主は無双しないで傍観が常（の予定）です。
気長に待って頂ければ幸いです。