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日々徒然?になる予定
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・猫主(マオ)による恋愛要素ゼロの夢
・ま、名前変改ないぜ!ブログだからな!!
・今回は@彩雲国の終りの話
・フライングです☆



秀麗がこの世を去って早三十年を過ぎた頃だ。
時期は冬から春へと移り変わりつつあった。
そう、彼女が死去した季節だ。
桜が見たいと言っていたが、それは叶わなかったのをよく劉輝は覚えていた。
主のいない寝室は昔のままが保たれているが、優しい香りはとうにない。
そこから見える庭は在りし日と変わらず、昨日降った雪に薄らと白く染めている。

(余はもう、良いだろうか……?)

秀麗との間に生まれた一人娘も劉輝の補佐としてみっちり仕込むだけの時間が与えられた。
それに、劉輝のように彼女を支えてくれる面々の頼もしさ、もある。
特にリオウは年若い頃から見知り、養子にもした為心強い彼女の見方で居てくれることだろう。
色々と問題も多かったけれど、太平と云っても良い世を創り出し、安定させた王が居なくてももういいのではないだろうか。
そういう思考に至っても不思議ではない。
齢五十を越えれば体調を崩す事も多くなり、退位も視野に入れていた。

「みぃ」
「マオか……こっちへおいで」

幼い頃よりも傍らに誰よりもいる猫は真の猫でないことを気付いている。
猫の寿命をとうに三から四回ぐらい全うしてもおかしくない時が経とうともこの猫だけは変わる事がない。
やや小さい身体で器用にピンと立てた尻尾の先を振る。

「懐かしいなぁ」

幼い頃から共に過ごして来た猫の『何?』と聴く時の仕草に他ならない。
幼少から王位について認められるまでは頻繁に話し掛け劉輝の慰めになった猫も秀麗が亡くなってから一年ほどしたら、それもしなくなった。
曰く、『約束を守るために節約しないとな〜』と。
ただ只管に劉輝に寄り添い続けた。
共に過ごした年月は側近の楸瑛や絳攸よりも遥かに長い。

「もう、いいのだろうか」
『もう少し頑張ったら?』

ぽつりと零した言葉を拾い上げたマオはじっと見上げた。
元気づけるようにすりつける毛は柔らかく気持ちいい。
久しく聞いていなかった声はちょっと厳しいくも、優しい。

「もう、少しな」

再びマオの背を梳いた。










後の歴史書は語る。

最上治と言われる程の治世を敷いた賢君・紫劉輝の足跡を。

賢君を支えた官吏達を。

特に当時を伺い知る資料として、紫劉輝の宰相として最後まで共にいた李絳攸の手記は中々に価値があるものだ。

政治的思惑はさることながら、そこに個人の感情を伺い知らされる。

その手記に度々主上の飼い猫の話が書き込まれている。

曰く、寄り添う猫ありと。

その記事は就任当初から紫劉輝が崩御した翌年まで続き、歴史のミステリーの一つとして語られている。

真実を知っているのは、その猫だけ。






あとがき
強制終了。
いつか絶対書き直します。
猫主は劉輝の死を見届けてから居なくなった設定。
猫主に願ったのは『ずっといっしょにいて』です。
愛情に餓えていて、出会ったのが静蘭が居なくなった後の空白の一年間です。
この時期に願うなら絶対コレだよな、と思います。

書き始め130605

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