日々徒然?になる予定
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・原作未読でうぃきと二次の知識しかないよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
・葬神主メインだけど藍色主もでばるよ!
・葬神主のデフォ名はフレイ!!
・藍色主のデフォ名はセツになっているよ!!
・沈黙主のデフォ名はスィレンツィオだよ!
・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
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・葬神主のデフォ名はフレイ!!
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・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
倉庫戦
「良い月夜だな」
剣呑とした空気が漂う倉庫街に、そんな場違いな乱入者の一言が零れた。バッと声の主に視線が集まるのは自明の理だ。その男は奇妙だった。にやにやとした嗤いを口元に浮かべたモノクロの男は酷く現実離れをした雰囲気を身にまとっていた。白く緩やかなウェーブを描く髪は背に流され、物語に出てきそうな黒いインバネスコートに黒いシルクハットを頭に乗せて、黒い革靴を履いていた。
この倉庫街に集まったのは、剣を構えた青い少女とその連れの白い女。緑色のケルティックスーツに身を包んだ美青年は少女と相対するように槍を構えていた。さらに美青年と少女に割って入るように、戦車__古の時代の神話に登場するような動物に引かせるタイプ__で割って入ったのは紅い巨漢だった。巨漢の傍らには線の細い少女……ではなく少年がすでにいた。そこにやってきた男は巨漢の後方から彼らに声を掛けたのだ。
それまでまるっきり__そう戦闘に特化しているサーヴァントであっても、声を掛けられてからその人物達に気付いたのだ。その事実に気がついた少女と青年はより警戒した面持ちで見遣る。少女は連れの女に寄り添い、守るための体勢を整えた。
その男の影に隠れていた人物が庇うように前に出る。その場にいた少女__セイバーとその連れのアイリスフィールが目を見開く。青年__ランサーは槍を構えたまま、注意深く舞台に新たに上がって来た子供をみた。巨漢__ライダーは興味深気な視線をよこした。
胡散臭い男の連れの子供__年の頃は十代前半ぐらいの成長していない年頃の性の曖昧な雰囲気を持っており、何より他を圧倒する現世と解離した雰囲気を持っていた。現代にはない、神秘を身に纏っていると言ってもいい。幼いながらも、この子供がサーヴァントである事に気がつく。
このが戦争___聖杯を巡って繰り広げられる___は七人のマスターとそのサーヴァントによって行われる。サーヴァントにはそれぞれクラスがある。『セイバー(剣兵)』『ランサー(槍兵)』『アーチャー(弓兵)』『ライダー(騎兵)』『アサシン(暗殺者)』『キャスター(魔術師)』『バーサーカー(狂戦士)』の七つのクラスがあり、現界したクラスの補正がサーヴァントにはつく。
先ほどの少女は剣を扱う『セイバー』として現世に呼び出されし英霊だ。セイバーと相対しているのは槍使いであるランサーだ。セイバーとランサーに割って入った巨漢は戦車での登場から『ライダー』であることが伺える。では、この子供は___。
「そこにいるんだろう?アーチャー」
警戒している面々を歯牙にもかけない様子で、とある倉庫の上を見遣りながら声を掛けた。幾ばくもしないで、男がアーチャーと呼んだ男が出て来る。黄金の鎧を身に纏い、一般人ならばその覇気で平伏したくなる雰囲気を有していた。倉庫の上から、男を睥睨した。
「我を名指しとは、偉く出た者だな。名乗れ、雑種」
「これはお初目お目にかかる。そうだな……スィレンツィオとでも呼んでくれ」
「……ふぅん、で何用だ。詰まらぬ事で会ったならば、殺してくれよう」
飄々とした調子でアーチャーの殺気を流しながら、スィレンツィオと名乗った男は内ポケットから淡い色合いの封筒を取り出す。特別飾り気があるわけではないそれは、ポップ調のイラストが印刷されていた。とあるこの平行世界では『せいはい君』と呼ばれるキャラクターである。顔は可愛らしいが、口から何かでろりと吐き出している液状といえばいいのかゲル状と言えばいいのか分からんキャラクターだ。おそらくジャンルとするならば『キモかわいい』に分類されるのではないだろうか。閑話休題。
「優雅優がとかほざいてる髭の優雅が吹っ飛ぶものなのだが、届けてくれないか?」
柔和と言える男の顔があくどい表情を浮かべた。スィレンツィオの発言に驚いたような表情もしたが、すぐににやにやとした笑いを浮かべる。この男、やりおる。愉快痛快、この世の享楽をこよなく愛する男が興味を持たぬわけがなかった。
「我を興じさせるほどの力をみせてみるがいい」
それなば貴様の頼みをきいてやろう、と笑った。それは上々と、スィレンツィオは嘯く。どこか人形じみた子供の存在感が増していく。
「『我らが道を阻む者はそのが身をもって贖うべし』」
厳かにその一文を宣誓すると、子供が躍り出る。トン、と軽い音に反して二十メートル以上も離れた距離を一瞬で縮め、いつの間にやら両の手に持っていた棒状の鈍器___トンファーと呼ばれる打撃武器___がアーチャーの顔目掛けて唸る。それを身を捻ることで躱したが、追い縋る反対のトンファーが横腹に迫る。右手で衝撃から腹を守る事に成功したが、結構な威力に腕の痺れをアーチャーは感じた。アーチャは蹴り子供に喰らわそうとしたが、バックステップで軌道から逃げ切り、最初の対峙の位置へと戻る。
子供であろうがなかろうが、このままで終わることをアーチャーは許しはしなかった。アーチャーの背後が歪み、そして三つ程、武器が出現した。観客と化しているライダーのマスターがヒュッと息を吐いた。一振りは弧を描きその持ち手は無骨ながらも、力強い円月刀だ。一つはポセイドンが持っていたと言われている様な三つ矛で、最後の一つは華美と言える程に装飾された剣だった。その一つ一つには膨大な魔力を含んでいる事に誰もが気付く。それは英霊がもっている特殊な武具___宝具と呼ばれるものである。宝具の真の能力を発揮できれば、一振りで城や街を破壊するのなど容易い。アーチャーはそれらを惜しげもなく子供に投げつけた。驚愕に呑まれている面々を他所に、投げつけられた面々は冷静だった。
子供の影が揺らぎ、高速に飛来するそれらを絡めとったのだ。そのままゆるりと影に沈む。あんまりにも異様な能力に子供に視線が集まる。興味深気にアーチャーは目を細めた。再びアーチャーの背後に武器が出現した。今度は一本や二本ではなく、数十本と無限に現れた。様々な剣に斧に礫に槍にとその種類に括りはないように思えた。宝具は大概の英霊でも二から三くらいしか有していない。それをアーチャーは投げ捨てるように何十もの宝具を取り出ししようしているのだ。それは異例とも言える。
量が増えようが影は等しく呑み込み消えた。ますます攻撃の手を強めようとしたアーチャーの動きが不自然に止まる。苦々し気に『時臣め……』と零す。アーチャーのマスターにして冬木のセカンドオーナー遠坂時臣からのパス経由での連絡なのが伺える。
「ではよろしく」
いつの間にやら子供が先ほどの手紙を持ってアーチャーに差し出している。無表情で生気を感じないものの、将来を約束された美しさを持つ子供はやや小首をかしげながら差し出して来る姿はあざといが可愛い。これぞあざとかわいい。アーチャーも先ほどの約束のためか、はたまたスィレンツィオの唆した優雅バイバイイベントに興味があってか、しっかりと受け取って、アーチャーはこの場を後にした。
「さて、そろそろ暇にしようではないか」
サーヴァントが同意するように頷く。間を置かずに、足下の影が膨張し、彼らを覆った。影がんかうなる頃には彼らの姿は消え失せた。取り残されたセイバー・ランサー・ライダーもこれ以上争う事なく、別れる事となる。まだ聖杯戦争は始まったばかり。本日は顔見せ程度に敵の様子見が大体の目的なのだ。焦る必要もあるまい。夜の街へと消えていった。
「さぁ、次の手を打つとするか」
白い男は賑やかな人混みに紛れながら、用のある建物を見上げた。『ハイアットホテル』。都心にあるそのホテルにこれから為に必要な人物がいる。そして後は交渉。にこやかに笑みを浮かべる青年はそのホテルへと入っていった。
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「良い月夜だな」
剣呑とした空気が漂う倉庫街に、そんな場違いな乱入者の一言が零れた。バッと声の主に視線が集まるのは自明の理だ。その男は奇妙だった。にやにやとした嗤いを口元に浮かべたモノクロの男は酷く現実離れをした雰囲気を身にまとっていた。白く緩やかなウェーブを描く髪は背に流され、物語に出てきそうな黒いインバネスコートに黒いシルクハットを頭に乗せて、黒い革靴を履いていた。
この倉庫街に集まったのは、剣を構えた青い少女とその連れの白い女。緑色のケルティックスーツに身を包んだ美青年は少女と相対するように槍を構えていた。さらに美青年と少女に割って入るように、戦車__古の時代の神話に登場するような動物に引かせるタイプ__で割って入ったのは紅い巨漢だった。巨漢の傍らには線の細い少女……ではなく少年がすでにいた。そこにやってきた男は巨漢の後方から彼らに声を掛けたのだ。
それまでまるっきり__そう戦闘に特化しているサーヴァントであっても、声を掛けられてからその人物達に気付いたのだ。その事実に気がついた少女と青年はより警戒した面持ちで見遣る。少女は連れの女に寄り添い、守るための体勢を整えた。
その男の影に隠れていた人物が庇うように前に出る。その場にいた少女__セイバーとその連れのアイリスフィールが目を見開く。青年__ランサーは槍を構えたまま、注意深く舞台に新たに上がって来た子供をみた。巨漢__ライダーは興味深気な視線をよこした。
胡散臭い男の連れの子供__年の頃は十代前半ぐらいの成長していない年頃の性の曖昧な雰囲気を持っており、何より他を圧倒する現世と解離した雰囲気を持っていた。現代にはない、神秘を身に纏っていると言ってもいい。幼いながらも、この子供がサーヴァントである事に気がつく。
このが戦争___聖杯を巡って繰り広げられる___は七人のマスターとそのサーヴァントによって行われる。サーヴァントにはそれぞれクラスがある。『セイバー(剣兵)』『ランサー(槍兵)』『アーチャー(弓兵)』『ライダー(騎兵)』『アサシン(暗殺者)』『キャスター(魔術師)』『バーサーカー(狂戦士)』の七つのクラスがあり、現界したクラスの補正がサーヴァントにはつく。
先ほどの少女は剣を扱う『セイバー』として現世に呼び出されし英霊だ。セイバーと相対しているのは槍使いであるランサーだ。セイバーとランサーに割って入った巨漢は戦車での登場から『ライダー』であることが伺える。では、この子供は___。
「そこにいるんだろう?アーチャー」
警戒している面々を歯牙にもかけない様子で、とある倉庫の上を見遣りながら声を掛けた。幾ばくもしないで、男がアーチャーと呼んだ男が出て来る。黄金の鎧を身に纏い、一般人ならばその覇気で平伏したくなる雰囲気を有していた。倉庫の上から、男を睥睨した。
「我を名指しとは、偉く出た者だな。名乗れ、雑種」
「これはお初目お目にかかる。そうだな……スィレンツィオとでも呼んでくれ」
「……ふぅん、で何用だ。詰まらぬ事で会ったならば、殺してくれよう」
飄々とした調子でアーチャーの殺気を流しながら、スィレンツィオと名乗った男は内ポケットから淡い色合いの封筒を取り出す。特別飾り気があるわけではないそれは、ポップ調のイラストが印刷されていた。とあるこの平行世界では『せいはい君』と呼ばれるキャラクターである。顔は可愛らしいが、口から何かでろりと吐き出している液状といえばいいのかゲル状と言えばいいのか分からんキャラクターだ。おそらくジャンルとするならば『キモかわいい』に分類されるのではないだろうか。閑話休題。
「優雅優がとかほざいてる髭の優雅が吹っ飛ぶものなのだが、届けてくれないか?」
柔和と言える男の顔があくどい表情を浮かべた。スィレンツィオの発言に驚いたような表情もしたが、すぐににやにやとした笑いを浮かべる。この男、やりおる。愉快痛快、この世の享楽をこよなく愛する男が興味を持たぬわけがなかった。
「我を興じさせるほどの力をみせてみるがいい」
それなば貴様の頼みをきいてやろう、と笑った。それは上々と、スィレンツィオは嘯く。どこか人形じみた子供の存在感が増していく。
「『我らが道を阻む者はそのが身をもって贖うべし』」
厳かにその一文を宣誓すると、子供が躍り出る。トン、と軽い音に反して二十メートル以上も離れた距離を一瞬で縮め、いつの間にやら両の手に持っていた棒状の鈍器___トンファーと呼ばれる打撃武器___がアーチャーの顔目掛けて唸る。それを身を捻ることで躱したが、追い縋る反対のトンファーが横腹に迫る。右手で衝撃から腹を守る事に成功したが、結構な威力に腕の痺れをアーチャーは感じた。アーチャは蹴り子供に喰らわそうとしたが、バックステップで軌道から逃げ切り、最初の対峙の位置へと戻る。
子供であろうがなかろうが、このままで終わることをアーチャーは許しはしなかった。アーチャーの背後が歪み、そして三つ程、武器が出現した。観客と化しているライダーのマスターがヒュッと息を吐いた。一振りは弧を描きその持ち手は無骨ながらも、力強い円月刀だ。一つはポセイドンが持っていたと言われている様な三つ矛で、最後の一つは華美と言える程に装飾された剣だった。その一つ一つには膨大な魔力を含んでいる事に誰もが気付く。それは英霊がもっている特殊な武具___宝具と呼ばれるものである。宝具の真の能力を発揮できれば、一振りで城や街を破壊するのなど容易い。アーチャーはそれらを惜しげもなく子供に投げつけた。驚愕に呑まれている面々を他所に、投げつけられた面々は冷静だった。
子供の影が揺らぎ、高速に飛来するそれらを絡めとったのだ。そのままゆるりと影に沈む。あんまりにも異様な能力に子供に視線が集まる。興味深気にアーチャーは目を細めた。再びアーチャーの背後に武器が出現した。今度は一本や二本ではなく、数十本と無限に現れた。様々な剣に斧に礫に槍にとその種類に括りはないように思えた。宝具は大概の英霊でも二から三くらいしか有していない。それをアーチャーは投げ捨てるように何十もの宝具を取り出ししようしているのだ。それは異例とも言える。
量が増えようが影は等しく呑み込み消えた。ますます攻撃の手を強めようとしたアーチャーの動きが不自然に止まる。苦々し気に『時臣め……』と零す。アーチャーのマスターにして冬木のセカンドオーナー遠坂時臣からのパス経由での連絡なのが伺える。
「ではよろしく」
いつの間にやら子供が先ほどの手紙を持ってアーチャーに差し出している。無表情で生気を感じないものの、将来を約束された美しさを持つ子供はやや小首をかしげながら差し出して来る姿はあざといが可愛い。これぞあざとかわいい。アーチャーも先ほどの約束のためか、はたまたスィレンツィオの唆した優雅バイバイイベントに興味があってか、しっかりと受け取って、アーチャーはこの場を後にした。
「さて、そろそろ暇にしようではないか」
サーヴァントが同意するように頷く。間を置かずに、足下の影が膨張し、彼らを覆った。影がんかうなる頃には彼らの姿は消え失せた。取り残されたセイバー・ランサー・ライダーもこれ以上争う事なく、別れる事となる。まだ聖杯戦争は始まったばかり。本日は顔見せ程度に敵の様子見が大体の目的なのだ。焦る必要もあるまい。夜の街へと消えていった。
「さぁ、次の手を打つとするか」
白い男は賑やかな人混みに紛れながら、用のある建物を見上げた。『ハイアットホテル』。都心にあるそのホテルにこれから為に必要な人物がいる。そして後は交渉。にこやかに笑みを浮かべる青年はそのホテルへと入っていった。
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