日々徒然?になる予定
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・原作未読でうぃきと二次の知識しかないよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
・葬神主メインだけど藍色主もでばるよ!
・葬神主のデフォ名はフレイ!!
・藍色主のデフォ名はセツになっているよ!!
・沈黙主のデフォ名はスィレンツィオだよ!
・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
・葬神主メインだけど藍色主もでばるよ!
・葬神主のデフォ名はフレイ!!
・藍色主のデフォ名はセツになっているよ!!
・沈黙主のデフォ名はスィレンツィオだよ!
・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
治癒と開幕
雁夜と桜が朝食兼昼食を食べ終わり、食後の煎茶が出された。艶やかな緑を讃えたお茶は香り高く、少々の渋みと独特の甘みを後に残した。温かいお茶にほぉと溜め息が口から零れた。家を出てからはお茶よりもコーヒーに世話になっていて、嗜好品にそこまで気を配らない雁夜でも解るぐらい美味しかった。
「雁夜様」
「ん?何かな」
「桜様もそうですが、雁夜様方には治療を受けて頂きます」
雁夜に声を掛けて来た藍色の青年___バーサーカーが創り出した式神の様な存在だと聞いている___セツは、そう宣言した。共に創り出された白色の青年___スィレンツィオは前衛に特化しているのに対して、セツは後衛特化型なのは食事中に教えてもらった。RPG的に言えば、スィレンツィオは剣士タイプとセツが魔法使いタイプとなる。
話を戻すが、臓硯による虐待は蟲による肉体操作に他ならない。蟲を体内に取り込む事で、肉体を術者の都合に合わせて調整したのだ。無理矢理に身体を創り変えられた雁夜は、内臓の殆どが蟲に置き換わり、半身が醜く隆起し、失明をし、白髪になった。桜も雁夜程でないにしろ、蟲による内部浸食が起きているのは否めない。特に雁夜は深刻だ。
「我々は魔力供給をしてもらう必要が特にありませんし、桜様の保護者として長生きしてもらうには不安要素を少しでも取り除くべきです」
「え、でも……」
「あぁ、糞爺ぃ……ゾーケンであったか?を吸収して魔力を得たので気にしなくてよかろう」
サーヴァントではないと言う物のサーヴァントとして呼ばれたバーサーカーを繋ぎ止めるものが多いに越した事はない。それ故に二の足を踏んでいる雁夜に、スィレンツィオも言葉を重ねる。それでも渋る雁夜を説得したのは他でもない、桜であった。
「おじさんが少しでも、いたくなくなるならその方がいいよ」
「桜ちゃん……」
まだまだ表情の乏しい少女だが、瞳の奥の光は心配そうに揺れるのを雁夜は読み取る。年のわりに賢しい彼女の願いを、親ばかならぬ義理叔父が断れるだろうか。答えは、否である。やや涙ぐみながら、雁夜はセツによる治療を受ける事になった。
雁夜の自室の寝室に横にさせられる事となる。寝間着用にしている浴衣だけでは些か肌寒さを感じていたが、暖房のおかげでそれも気にならなくなった。部屋にいるのはセツとバーサーカーのみで、桜の相手はスィレンツィオがしているのだろ。緊張した面持ちの雁夜にセツは優しく笑いかけた。
「絶対、大丈夫です」
「かりや、ねむれ」
先ほどまで映り込んでいた藍色が揺れて歪み、雁夜の意識は闇に溶ける。そう間を置かずに薄く空いた唇から寝息が零れるのが確認できた。それを確認すると予め用意していた結界をこの部屋に施す。内空間が曖昧化し、境界が薄くなる。そこは彼らが”狭間”と呼ぶ所。何処にでも繋がっていて、真の意味で何処にも繋がっていない。彼らの絶対領域と言ってもいい。
バーサーカー___否、このが”狭間”の主・フレイが雁夜の頬に触れる。隆起した肌の凸凹は手の主を嫌がるように暴れて逃げ惑う。その様は絶対的強者を恐れる生き物としての本能だったに違いない。
「雁夜様の体内の大凡六割強が蟲に置き換わっています。特に左半身が酷いですね。表面上に見られる隆起の原因は蟲のせいです。蟲は雁夜様の魔力回路を無理矢理押し広げて住み着き、その周りや内腑を侵食することにより魔力の精製を行っているようです。失明の原因も本来の蟲の働きや体質に合わなかったよりかは間桐臓硯の嫌がらせの意味合いが強かったように思われます」
淡々と雁夜の現状を言葉に連ねていくセツだが、独り言に近い。そんなことを言わなくても、相手はとっくに理解しているのだから。
「行わなければいけないのは、暗示の解除と蟲の摘出と内臓の移植と回路の復旧でしょうか」
無言のまま頷くと、両手を叩いて寝台に手を付いた。金と赤の光が入り交じり雁夜の寝ていた寝台が別の形に変形させられた。寝台にはやや凹凸ができ、雁夜をすっぽりと覆う広さにまで展開している。真上から見れば凹凸がいわゆる魔法陣であることが読み取れる。これから行う行為を考えれば、錬成陣と呼ぶべきだが。
陣を確認し終えたフレイは再び両手を合わせてから陣に触れる。錬成陣が白く瞬き陣の内側にいる雁夜を呑み込む。蟲を分解し、喪われた肉体の材料に再利用しつつ、先ほど得たDNAデータに基づき細胞一つ一つを創り直す。錆び付いていた回路を本来もっていた形になるように丁寧に通していき、神経を辿り、視神経と脳とのアクセスを確認し、濁りの原因である水晶体を再錬成して不純物を除去。それを瞬きに等しい時間で起きた。丁寧すぎる程丁重に行われ、雁夜の肉体的破損は色素を覗けば、ほぼ完治と言えるくらいには治療できた。
引きつり苦悶の表情のまま凝っていた顔の表情は溶かされ、今は気持ち良さそに寝息を立てている姿を目に映してセツは頬笑んだ。桜は食事後にスィレンツィオ経由で渡した虫下しで体内にいた蟲は取り除けているころだ。色彩は戻らなくても、彼の願う『普通の幸せ』に一歩近づいたのは喜ばしい。出会って一日ほどだが、パスから見た雁夜の人生は中々に興味深かった。ひた向きに初めて見た光を妄信して偏愛する姿は何処か歪だ。だが、似ているのは否定できなくて、苦笑を零した。
そんなセツを気に留める事なく、術者は抜け出した。借り名たるバーサーカーはふらりと間桐から出て何処かを彷徨うことがある。契約による守護の対象が術者と式との間に構築されたパスから寝ている事は理解しているからなのだろう。桜が目覚めるまで、彼が帰って来る事はなかった。
人も草もが寝静まる頃。昨夜よりも少しばかり欠けたであろう月が煌々と夜空を支配していた。深山___間桐の居住となっている土地は他の場所よりも殊更に命の音が少ない。それも無理はない。昨夜まで君臨していた蟲の翁は人・動物問わず蟲の餌にしていたのだ。危険な所を避けるのは当然と言えよう。また季節は冬の盛りに向かいつつ在る。よりいっそう、静寂が落ちた。
周囲に溶け込むように気配を殺した少年___バーサーカーとして呼ばれた彼は、いつもの様な無表情のまま、虚空に視線を走らせていた。強く踏み込み、数瞬後にはその手に鳥に似せた物___東洋魔術で言う所の式、西洋魔術で言う所の使い魔が握られていた。鳥形の使い魔は手から逃れようと暴れるが、そう間を置かずに弱り朽ちて塵と成り果てた。
「たりない」
幽鬼のような呟きが空気に溶け、再び少年は何かを探すように歩き出す。敵を求めて。いや、獲物を求めて。足下の影が蠢いた。海辺の近い所から魔力の高まりを感知する。サヴァーント同士がぶつかり合って生まれたそれは、本格的な聖杯戦争の狼煙だ。無表情と言って差し支えのないバーサーカーの口元がうっすらと上がる。
「行くか」
バーサーカーの式・スィレンツィオが当時愛用していた衣服に身を包み隣に立つ。漆黒のインバネスコートに身を包み、腰程に伸ばされた白い髪は波打ち頭の上には御伽噺に出て来そうなシルクハットが鎮座する。モノクルが左目に飾られ、その姿は常より浮世離れして見える。とある世界軸にて、『マッド・フィクサー』や『調停者』や『バランサー』などと渾名される人物が好んで着込んでいた格好だ。モノクロで構成されたその人物の紅い瞳がいやに目に残る。
「開幕戦といこうではないか」
つづく……?
雁夜と桜が朝食兼昼食を食べ終わり、食後の煎茶が出された。艶やかな緑を讃えたお茶は香り高く、少々の渋みと独特の甘みを後に残した。温かいお茶にほぉと溜め息が口から零れた。家を出てからはお茶よりもコーヒーに世話になっていて、嗜好品にそこまで気を配らない雁夜でも解るぐらい美味しかった。
「雁夜様」
「ん?何かな」
「桜様もそうですが、雁夜様方には治療を受けて頂きます」
雁夜に声を掛けて来た藍色の青年___バーサーカーが創り出した式神の様な存在だと聞いている___セツは、そう宣言した。共に創り出された白色の青年___スィレンツィオは前衛に特化しているのに対して、セツは後衛特化型なのは食事中に教えてもらった。RPG的に言えば、スィレンツィオは剣士タイプとセツが魔法使いタイプとなる。
話を戻すが、臓硯による虐待は蟲による肉体操作に他ならない。蟲を体内に取り込む事で、肉体を術者の都合に合わせて調整したのだ。無理矢理に身体を創り変えられた雁夜は、内臓の殆どが蟲に置き換わり、半身が醜く隆起し、失明をし、白髪になった。桜も雁夜程でないにしろ、蟲による内部浸食が起きているのは否めない。特に雁夜は深刻だ。
「我々は魔力供給をしてもらう必要が特にありませんし、桜様の保護者として長生きしてもらうには不安要素を少しでも取り除くべきです」
「え、でも……」
「あぁ、糞爺ぃ……ゾーケンであったか?を吸収して魔力を得たので気にしなくてよかろう」
サーヴァントではないと言う物のサーヴァントとして呼ばれたバーサーカーを繋ぎ止めるものが多いに越した事はない。それ故に二の足を踏んでいる雁夜に、スィレンツィオも言葉を重ねる。それでも渋る雁夜を説得したのは他でもない、桜であった。
「おじさんが少しでも、いたくなくなるならその方がいいよ」
「桜ちゃん……」
まだまだ表情の乏しい少女だが、瞳の奥の光は心配そうに揺れるのを雁夜は読み取る。年のわりに賢しい彼女の願いを、親ばかならぬ義理叔父が断れるだろうか。答えは、否である。やや涙ぐみながら、雁夜はセツによる治療を受ける事になった。
雁夜の自室の寝室に横にさせられる事となる。寝間着用にしている浴衣だけでは些か肌寒さを感じていたが、暖房のおかげでそれも気にならなくなった。部屋にいるのはセツとバーサーカーのみで、桜の相手はスィレンツィオがしているのだろ。緊張した面持ちの雁夜にセツは優しく笑いかけた。
「絶対、大丈夫です」
「かりや、ねむれ」
先ほどまで映り込んでいた藍色が揺れて歪み、雁夜の意識は闇に溶ける。そう間を置かずに薄く空いた唇から寝息が零れるのが確認できた。それを確認すると予め用意していた結界をこの部屋に施す。内空間が曖昧化し、境界が薄くなる。そこは彼らが”狭間”と呼ぶ所。何処にでも繋がっていて、真の意味で何処にも繋がっていない。彼らの絶対領域と言ってもいい。
バーサーカー___否、このが”狭間”の主・フレイが雁夜の頬に触れる。隆起した肌の凸凹は手の主を嫌がるように暴れて逃げ惑う。その様は絶対的強者を恐れる生き物としての本能だったに違いない。
「雁夜様の体内の大凡六割強が蟲に置き換わっています。特に左半身が酷いですね。表面上に見られる隆起の原因は蟲のせいです。蟲は雁夜様の魔力回路を無理矢理押し広げて住み着き、その周りや内腑を侵食することにより魔力の精製を行っているようです。失明の原因も本来の蟲の働きや体質に合わなかったよりかは間桐臓硯の嫌がらせの意味合いが強かったように思われます」
淡々と雁夜の現状を言葉に連ねていくセツだが、独り言に近い。そんなことを言わなくても、相手はとっくに理解しているのだから。
「行わなければいけないのは、暗示の解除と蟲の摘出と内臓の移植と回路の復旧でしょうか」
無言のまま頷くと、両手を叩いて寝台に手を付いた。金と赤の光が入り交じり雁夜の寝ていた寝台が別の形に変形させられた。寝台にはやや凹凸ができ、雁夜をすっぽりと覆う広さにまで展開している。真上から見れば凹凸がいわゆる魔法陣であることが読み取れる。これから行う行為を考えれば、錬成陣と呼ぶべきだが。
陣を確認し終えたフレイは再び両手を合わせてから陣に触れる。錬成陣が白く瞬き陣の内側にいる雁夜を呑み込む。蟲を分解し、喪われた肉体の材料に再利用しつつ、先ほど得たDNAデータに基づき細胞一つ一つを創り直す。錆び付いていた回路を本来もっていた形になるように丁寧に通していき、神経を辿り、視神経と脳とのアクセスを確認し、濁りの原因である水晶体を再錬成して不純物を除去。それを瞬きに等しい時間で起きた。丁寧すぎる程丁重に行われ、雁夜の肉体的破損は色素を覗けば、ほぼ完治と言えるくらいには治療できた。
引きつり苦悶の表情のまま凝っていた顔の表情は溶かされ、今は気持ち良さそに寝息を立てている姿を目に映してセツは頬笑んだ。桜は食事後にスィレンツィオ経由で渡した虫下しで体内にいた蟲は取り除けているころだ。色彩は戻らなくても、彼の願う『普通の幸せ』に一歩近づいたのは喜ばしい。出会って一日ほどだが、パスから見た雁夜の人生は中々に興味深かった。ひた向きに初めて見た光を妄信して偏愛する姿は何処か歪だ。だが、似ているのは否定できなくて、苦笑を零した。
そんなセツを気に留める事なく、術者は抜け出した。借り名たるバーサーカーはふらりと間桐から出て何処かを彷徨うことがある。契約による守護の対象が術者と式との間に構築されたパスから寝ている事は理解しているからなのだろう。桜が目覚めるまで、彼が帰って来る事はなかった。
人も草もが寝静まる頃。昨夜よりも少しばかり欠けたであろう月が煌々と夜空を支配していた。深山___間桐の居住となっている土地は他の場所よりも殊更に命の音が少ない。それも無理はない。昨夜まで君臨していた蟲の翁は人・動物問わず蟲の餌にしていたのだ。危険な所を避けるのは当然と言えよう。また季節は冬の盛りに向かいつつ在る。よりいっそう、静寂が落ちた。
周囲に溶け込むように気配を殺した少年___バーサーカーとして呼ばれた彼は、いつもの様な無表情のまま、虚空に視線を走らせていた。強く踏み込み、数瞬後にはその手に鳥に似せた物___東洋魔術で言う所の式、西洋魔術で言う所の使い魔が握られていた。鳥形の使い魔は手から逃れようと暴れるが、そう間を置かずに弱り朽ちて塵と成り果てた。
「たりない」
幽鬼のような呟きが空気に溶け、再び少年は何かを探すように歩き出す。敵を求めて。いや、獲物を求めて。足下の影が蠢いた。海辺の近い所から魔力の高まりを感知する。サヴァーント同士がぶつかり合って生まれたそれは、本格的な聖杯戦争の狼煙だ。無表情と言って差し支えのないバーサーカーの口元がうっすらと上がる。
「行くか」
バーサーカーの式・スィレンツィオが当時愛用していた衣服に身を包み隣に立つ。漆黒のインバネスコートに身を包み、腰程に伸ばされた白い髪は波打ち頭の上には御伽噺に出て来そうなシルクハットが鎮座する。モノクルが左目に飾られ、その姿は常より浮世離れして見える。とある世界軸にて、『マッド・フィクサー』や『調停者』や『バランサー』などと渾名される人物が好んで着込んでいた格好だ。モノクロで構成されたその人物の紅い瞳がいやに目に残る。
「開幕戦といこうではないか」
つづく……?
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