日々徒然?になる予定
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簡易設定
・魔法とか妖精とかいる中世風な世界だぞ☆
・基本名字か通り名呼びで、下の名前は真名
・精霊や魔獣・魔導士なんかが真名を知られたりすると、命を握られます
登場人物
クロコ テツヤ:ヤンデレ魔導士でキセキの一人
カガミ タイガ:炎の魔獣でクロコの使い魔
カサマツ ユキオ:水の精霊でクロコに捕まった
タカオ カズナリ:風の精霊で過去カサマツに育てられた
キセ リョウタ:キセキの一人で、クロコに大変なついている
数百年に一人現れる否かの、神に愛された者達。
それが何と六人も現れたことで、彼らは『キセキの世代』と呼ばれれいる。
暗黒竜の討伐を皮切りに、人身売買組織のイレドの壊滅、古代遺跡の発見とその功績は多々在る。
現在は六人一緒に行動していることが少ないが、彼らへの依頼は絶えない。
逃げることなど出来ない
大陸の東側にある誠凛公国はここ百年の間に出来た新興国である。悪政に悪政を重ねた王制を革命により、新しい一歩を踏み出した。大分国としても安定していて、治安も良い所だ。
ここをホームにしているキセキの一人・クロコテツヤだ。首都の一角にホームを構えている。こじんまりとしたレンガ作りの家は認識阻害と侵入者避けの結界で囲われており、下手な貴族の館や王城よりも堅牢な作りだ。そこを管理しているのはクロコの使い魔であり、相棒であるカガミに他ならない。粗野な外見に対して気遣いの出来るカガミが警護から家事までこなしている。
基本カガミとクロコしかいないそこに客人が押し掛けていた。客人ことキセキの一人のキセリョウタは詰まらなそうにテーブルに顔を乗せている。
「うぅぅぅ……」
「あーもう! うっせぇぞ!!」
「だって折角会いに来たのに、クロコっちがいないんスもん」
キセはあの面々の中でもアオミネと特にクロコに懐いている。ことあるごとにクロコのホームまで押し掛けて来るのは別に今回が初めてではない。クロコさっくり、ほっとけば良いですよ、と切り捨てるが、面倒見が良いカガミが一応持て成している。
そっと出されたのはヤチーコの葉を乾燥したものにお湯を注いだ薬草茶とココナッツたっぷり入れた焼き菓子がキセの前におかれた。甘い砂糖と卵とバターの香りがキセの食欲を刺激する。一口頬張れば、次々に手が伸びる。クロコ曰く、落ち込んだり泣いたりする負の感情には美味しいご飯は有効です、と。それも一つの真理であるとカガミは知っている。
「クロコは今、影狭間にいるからなぁ」
「あぁ、クロコっちのその魔術は真似できてないんスよねぇ」
キセキの一人に数えられるクロコだが、他キセキと違い攻撃力は圧倒的に欠いている。その代わりに、補助・空間魔法はキセキの追随を許さない。特に影を亜空間化しての物の収納・捕獲・転移はキセから見ても一目置いている。
「でもなんで影狭間?」
「あー、この間精霊を捕まえたんだよ」
「へぇ、どんな精霊ッスか?」
「海で捕まえたから水の精霊じゃねーの」
ふぅん、と気のない相槌から、黄瀬は大分興味を喪いつつあるようだ。それに苦笑しつつ、減った分のヤチーコを注ぎ足す。
「美人なんスか?」
「ん? 人間の美醜はよくわからん。でも強いぞ。属性的にもあんまり相性はよくなかったけど、それを抜かしても中々に強いぜ」
「へぇ……カガミっちがそういうんスか。じゃ、見たいっス!!」
「それはクロコに頼めよ」
そこまでキセに教えてから、カガミはちょっとばっかし後悔した。クロコが珍しく、執着しているものだ。暗闇の中に閉じ込めて、カガミにすら滅多に見せないようにしまい込んだ。それをついつい告げてしまったら、後でネチネチと嫌みの一つや二つ覚悟しておく必要がある。
キセはどうでもいい相手や興味のないものに対する時、あっと言う間に忘れてしまう。反面、クロコやアオミネといった気に入ったあるいは同格にたいする執心は異常と言っても良い。カガミの返答でそこそこ惹かれてしまったようだ。
(あー、ごめん)
今はいない自身の主人に対して、使い魔は心の内で謝罪した。
*
クロコは自身の創り出した異界__影狭間に来ている。永劫なる闇はどこへも繋がっていない。そこで唯一の生命はクロコと彼のモノになった水の精霊のカサマツだけ。唇を幾度となく貪り、鱗や柔肌を魔力を込めて愛撫すれば、カサマツは呼気を上げて頬を桃色に染める。
あぁ、愛おしい。そんな狂おしいまでの愛情と恋情と欲情がクロコの中で吹き荒れた。
「ん?」
「あぁぁ……どう、した?」
「いえ、何か嫌な予感がしただけです」
あの駄犬かお馬鹿さんかわかりませんけど、とクロコは付けたした。カサマツにはクロコのそれらが誰を指し示すのか分からず流す。
「大分、染まりましたね」
睦言のように囁く声は甘くも、狂気を帯びている。クロコの言葉通り、カサマツの体を構成する魔力の半分以上が既にクロコからの魔力で成り立っている。このままカサマツの全てがクロコの魔力に置き換えられた瞬間、カサマツの魂は完全にクロコのものとなる。水の精霊としての能力も、長い年月過ごして得た知識も、そしてカサマツの意志さえも。
(きっともう……俺は狂っている)
それを受け入れているカサマツ自身は、狂乱へと堕ちていっているに違いない。自身をそう断じた。もう、広がる海も、流れる川もカサマツは恋しくない。
「ふふふ、もっとユキオさんが染まったら人間の形になりませんか?」
「……なれんのかよ」
「はい。僕の魔力の方が多くなってユキオさんの体に馴染んだら、でしょうか」
「ふーん」
クロコに説明されてもカサマツにはあまり実感が湧かない。そんな生返事にクロコは笑みを深めた。
「そうしたら、貴方を抱きます」
「俺は男性型だぞ?」
「それがどうかしましたか?」
心底不思議で仕方がないと言いたげな目に、カサマツは苦笑を漏らす。そして自分から唇を重ねる。クロコは瞳を瞬かせた後、舌で割り開き口内を蹂躙してきた。水音だけが響く。
「ふふふ、あいしてます」
「俺も、あいしてる」
精霊はきっともう何処にも逃げる事はできない。
あとがき
どもども、春月です☆
見切り発車で書きたい事しか書いていないんで、分けわかめでしょうか。
クロコ、カガミと出会う
↓
キセキの世代台頭
↓
クロコ、キセキに仲間入り
↓
財宝の一つにあった遠見の鏡でカサマツに一目惚れ
↓
色んな伝説を作りながら金を稼いだり、材料集め
↓
キセキ才能を更に開花させて、ピンで行動することが多くなる
↓
例の鳥籠の製作依頼
↓
カサマツ捕獲
↓
↓その2
↓
カサマツ調教なう
↓
その1
↓
↓
↓
その3
って流れです。
タイトルは自作のお題より
また、これに合わせてタイトルをこれのシリーズ作品に関して変更致しました。
ではでは
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