日々徒然?になる予定
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・例によって猫主です
・よってCPとかないです、獣ですから
・ブログに名前変換機能はないので、『マオ』と表記されます
・今回は(も?)彩雲国です
・公子時代の侍女A視点です
・よって常より猫主の名前があがりません
・わりと暗いです
・まぁ、よろしければお付き合い下さい
・よってCPとかないです、獣ですから
・ブログに名前変換機能はないので、『マオ』と表記されます
・今回は(も?)彩雲国です
・公子時代の侍女A視点です
・よって常より猫主の名前があがりません
・わりと暗いです
・まぁ、よろしければお付き合い下さい
女の園は陰険だ、と私は思う。
いや、正しくは『権力がある所の』では、か。
自らの寵愛と親族の利権の拡大と地位の維持の為に、貴族ってヤツは明け暮れるのだ。
まぁ、私もそんな親や親族の都合でココ___後宮に侍女としているのだが。
現王___血の覇王には現在六人の妻がいる。
凡庸とした第一公子を生んだ第一妃に、優秀な第二公子を生んだ第二妃。
後は似たり寄ったりが三〜五公子と言った所か。
ちなみに私の親族はうだつが上がらなそうな第四公子の派閥に入っている。
後は妓女上がりの女が生んだ第六公子がいるが、継承は夢のまた夢。
この中に寵姫がいるかが本当は焦点になり、陰湿さが増すんだけど……王に寵姫はいない。
子を生んだらそれでおしまい。
先輩の侍女が言っていたから、きっと本当なんだと思う。
一度遠目からその姿を見た事がある。
あの人は…………とても恐ろしい人だと思う。
真っ黒な瞳が交わった時、獣それも獅子のような大きな獣に喉を噛まれそうな心地だった。
二度と会いたくない。
ただ、最近政務を行わず、部屋にいる事が多くなっているのは事実みたいだ。
私には関係ないけどね。
王が何もしないから、後宮の派閥争いは激しくなっている。
面倒に巻き込まれる前にとっとと家に帰りたい。
(それで嫁いで実家と縁を切りたい)
時勢が読めない時点で、将来性がない家なんて、潰れるだけ。
あの家に大切なもの何て一つもない。
作り物めいた父母の微笑みに、頭の悪そな異腹の弟。
思い出した、すごくいらいらする。
ふと、曲がり角に差し掛かった時、斜め向こうの庭先に人影が見えた。
これが女官なり臣官だったら問題がないけど、公子だったら面倒だ。
妃?基本的に部屋から出んのです。
お互いが時代の国母を願っているのだから仕方ないことなのでしょうけど。
気付かれない程度に、ちらりと庭園に二人の子供を捕らえた。
件の第二公子と齢五つにも満たなそうな幼子。
「(あれは第六公子?)」
第五公子は既に十を数えていた筈である。
忘れられた第六公子。
母親が芸妓上がりの顔ばかりが取り柄の女だった筈だ。
故に相当な愚か者でない限り、あの母子には近づかない。
しかしあの妃は母と呼ぶには女でしかない。
仕事として第六公子の所に仕事として行った侍女仲間曰く、第六公子に当たり散らしているとか。
冷ややかな印象の強い第二公子は慈しむように愛らしい笑みの幼子を撫でた。
「(あの公子も笑うのね)」
私は遠目にちらりと見遣り、再び歩き出す。
仕事があるのだから。
第二公子が流罪となった。
そのため今まで保たれていた均衡が崩れ、水面下での派閥争いが年を追う毎に強くなって行くのを感じる。
殺伐と雰囲気が流れて居心地が悪い。
そんな空気などないように、私はいつもの仕事に従事する。
何一つ知らない振りで、笑顔を振りまいて。
ふと庭にやった視線に動く者を捕らえた。
一際小さいその子供はいつぞやか見た第六公子だった。
薄汚れた衣服に、ボサボサの髪。
人目で誰からも世話をされていない事が伺える。
公子の母は既に亡く、彼を保護し面倒をみる後ろ盾もない。
「(哀れな子)」
こんな所に生まれなければ、良かっただろうに。
誰からも必要とされず、兄と別れる事も恐らくはなかっただろうに。
どこか幽鬼のような虚ろな瞳で愛しい者を探し歩く姿は不憫だ。
彼を助けるのは越権行為で行った方もまた罰せられる。
ただその小さな背中を見送る。
「みぃ」
「……マオ」
ガサゴソと茂みを小さく揺らし現れたのは小さな猫で小さく鳴いた。
公子はしゃがんで微笑む。
その姿は在りし日の笑顔とは違い滲む様な笑みで、目が離せなかった。
どこか深く薄暗い笑み。
こんな幼い子供がそんな風に笑っているのだ。
「___?___!?」
女官長の呼ぶ声に意識が引き戻され再び仕事へ戻るため足早に回廊を後にした。
おわり
あとがき
どもども、春月です。
この小話を最初に書き始めてたのが去年の八月でちょっとびっくりしました。
遅筆でさーせんorz
子供の頃の猫主&劉輝を書きたかったんですよね。
猫主は静蘭が流罪後で一年以内に劉輝に拾われた設定です。
静蘭がいたら怪しい猫なんてあっという間に捨てられちゃいそうですし。
劉輝が一番傍らの熱を欲した時期なんじゃないかなーと思います。
『ずっと一緒にいて欲しい』。
この願いを叶えるためにずっとずっと猫主は傍らに居続けます。
人だと絶対叶えられず、普通の猫では置いて逝ってしまう。
ある意味では御誂え向きではないでしょうか。
これからもお付き合い下されば幸いです。
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