日々徒然?になる予定
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・猫主の夢小説だよ!
・名前変換機能なんて無いから、マオ表記だよ!
・猫(?)だからCP無いよ!
・sssだよ!!
・割とキャラ崩壊しているよ!
・そろそろこの前書き無くしてもいい?
・名前変換機能なんて無いから、マオ表記だよ!
・猫(?)だからCP無いよ!
・sssだよ!!
・割とキャラ崩壊しているよ!
・そろそろこの前書き無くしてもいい?
時は移ろう
人の命は短く”彼ら”をおいていく
それでも触れ合えることが嬉しくて
言葉を交わせる日々を愛おしく想う
連綿と続く彼らの傍らに変わること無き”彼ら”が今もそこにいる
猫と狐と霊酒 前編
地方都市の郊外___今は随分と開発が進み自然が少なくなりつつある。
それでも都会よりは緑豊かなこの地に、稲荷神社があった。
社の名は『冴木神社』。
宇迦之御魂大神を氏神としたその社に、銀色の狐がいる。
彼の名前は銀太郎。
宇迦之御魂大神の神使にして、冴木神社を見守り続けている狐である。
『ん?何か来る気がするなぁ』
「どうしたの?」
『何が来るのよ?』
銀太郎の呟きに聞き返した少女・冴木まこと___この神社の十五代目跡取り___は落ち葉の掃き掃除の手を止め見遣った。
何処かムッとした表情で銀太郎に問う子供ような狐・ハル___冴木神社に下宿している少年に付いて来た___は社の屋根から銀太郎を覗き込んだ。
『マオが』
『マオ?』
「あー、マオ君?」
ハルは不思議そうに名前を繰り返した。
『確かにそろそろかなぁ』と、納得した顔で頷いたのはまことだ。
疎外感に唇を尖らせたハルに、銀太郎が密やかに溜め息を零す。
まことと反対側を掃除していた少年・神尾悟が竹箒とちりとりを持って近づいて来た。
どうやら終わったようだ。
「朝食がもうすぐできるって」
「うん、分かった!」
『悟ー、学校?』
「そうだよ」
まことは手早く先ほどまでで集めた落ち葉をちりとりに入れる。
その脇で悟に上から飛びついたハルを、悟は危なげなく受け止めた。
高校生である彼らの朝は何かと慌ただしい。
いそいそとゴミを纏めたり、箒を収納して、着替えなくてはならない。
「ギン!私たち行くね?」
『おう、とっとと喰ってこい』
振り返るとにこりと笑って言うまことを、銀太郎はごろりと横になりながらひらひらと手を振る。
……どうやら寝に入るようだ。
まことと悟は連れ立て、自宅の方に行く。
そんな二人を見送りながらハルが寝転がった銀太郎の隣に腰を下ろした。
『ねぇ、マオって結局誰?』
『……会えば分かる』
好奇心旺盛な所は子供らしいが、なかなか奴を説明するのは難しく、場を濁すようにそう言うと目を閉じた。
* * * * *
あれは何時だったか。
この冴木神社に神使として住み着いて数十年が過ぎた頃だったと思う。
あの頃は自身よりも前にいた老齢な神使が名を付け、神使の生活に目新しさが無くなった頃だった。
老狐を訪ねて奴はやって来た。
奴___マオと名乗ったそいつは成猫よりも一回りばかし小さい形をした普通の猫だった。
異様なのはその色違いの瞳とその目に讃えた齢を重ねた者の持つ光だ。
最初,奴を見た時は妖かと思った。
警戒する俺を無視して、老狐と酒を酌み交わし、一年程居座るころには、随分と打ち解けたもんだ。
喰えない性格だが、嫌いじゃない。
老狐がこの世を去った後も、数年から数十年の単位で、訪ねてくる。
自身と同じように長い時を生きるマオと、酒を飲みながら懐かしい昔話をぽつりぽつりと交じわすのは嫌いじゃない。
それにアイツが持ってくる酒はなかなか上手いのだ。
最後に会ってからそろそろ十年程になる。
生きているならば、訪ねて来てもおかしくはない。
(上手い酒だと良いなぁ)
柔らかい陽射しに微睡みながら、ぼんやりとした思考で銀太郎は呟いた。
平日に社を訪ねる者は少ない。
必然的に氏神の代わりに人間の祈りや願いなどを聴き神へ送り届けたりする役目も少なく、暇になる。
と言っても、基本社を離れる事はよろしくない。
ここ百年ばかしで神使を見れる人間も減少し、人と語らう事も少なくなった。
つまりは、暇つぶしなるものがないのだ。
故に惰眠を貪る事が多くなるのも仕方ない。
眠気に銀太郎は身を委ねた。
* * * * *
本格的な寝息を立て始めた銀太郎にハルはぶすくれた。
生まれてから八十年程の年若いハルは、銀太郎のように眠っている事は少ない。
暇そうに短い足をぶらつかせながら、学校に行ってしまった悟の帰りを待ちわびる。
(暇だわ……)
ハルは一人で社の外に出た事があったが、人の町は複雑過ぎて道に迷ってしまったことがある。
いくら暇でも外に行く事は除外した。
(誰か早く来たら良いのに)
人は社の前で様々な事を祈る。
例えば、自身の恋の事。
例えば、誰かの健康の事。
例えば、何かが上手く行くようにと。
そんな声に耳をすましながら、ハルはよく彼女が大切に想っている悟に思いを馳せる。
ハルは別にこの稲荷の狐ではない。
悟と共にいることを願い、付いて来た先が冴木神社だったにしか過ぎなかった。
(悟が笑ってくれる事が多くなって良かった)
悟は両親が事故に遭ってから祖父に引き取られたものの、その祖父が亡くなり、叔母夫婦の世話になった。
叔母夫婦とその子供は何かと悟を虐げてきて、段々と時が経つにつれ悟は笑わなくなったのだ。
神使といってもハルは年若いためか力も強くなく、かといって直接的に彼らを害する訳にも行かず、歯がゆく思っていた時、冴木神社に下宿が決まった。
独りにしたくなくてハルは悟に付いて来た。
思ったよりも、ここは悪くない。
『……にしても、暇だわ』
《ここらで見ないお嬢さんだね?》
『!誰!!』
びくりと肩を揺らし、声の主に向き直る。
何処か芝居がかった口調の主は鳥居を越えて、ひらりと境内に到る。
それは、猫だった。
宵闇の色の毛は毛足が長く、赤と青の色違いの瞳がハルを見つめた。
(何、これ……?)
普通の猫と呼ぶには、ソレの気配は異様であった。
ハル達のような神使と呼ぶには、”力”の気配がおかしなくらい違った。
まるでそう、神のようだ。
しかし神が顕界に器を伴って現れるなど、この時代聞いた事が無い。
『あ、あんた誰よ!!』
威嚇するように強い口調で突っかかるも、それは恐れとの合わせ鏡。
毛を膨らませ精一杯虚勢を張る。
猫はそんなハルに一瞥くれるだけで、涼しい顔をしている。
《そんなに警戒しなくても、獲って喰いやしないよぅ》
『は、ハルが何時アンタみたいなチビに警戒したって言うのよ!!!』
《今、現在進行形でそうだと思うけど?》
『き、気のせいよ!!!!!』
《ふぅん》
にやにやと笑う猫は年を経た者が持つ喰えない雰囲気を醸す。
笑われていることに気付いたハルは顔を赤らめた。
(ぎゃ、ぎゃふんと言わせてやるんだからね!!?)
《ぎゃふん》
『……へ?』
《ぎゃふんって言ってあげたけど?》
『な、なっ…………!??』
心中を見通した猫の発言にハルは目を見開いた。
『……そろそろからかうのやめてやれ』
《やあ、銀》
『久しぶりだな、マオ』
二匹の騒がしさに目を醒した銀太郎が起き上がり、猫の首を掴んだ。
猫は宙ぶらりんの体勢だろうとも、先ほどと変わらずのんびりとした様子で片足を伸ばして挨拶する。
人間臭い猫だ。
そしてこの猫こそ、件の”マオ”である。
あんぐりと口をあげて、数瞬後___。
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
大きな叫び声が境内に響いた。
つづく
あとがきというか、ネタバレというか、与太話というか
人間は「」、神使は『』で、猫主は《》で会話が表記されてます。
神使は神眼持ち(まこととか悟)じゃないと声が聞こえたり見えたりしないんですよね。
それでも肉体(?)らしいものは持ってると思ってます。
つまりちゃんと声帯を振るわして音を出しているんです。
で、猫主はテレパシーを使って直接伝えているんですよね。
台詞のカッコの差はこんな感じで決まっています。
猫主の言ってる本体は葬神主のことです。
猫主を創った人物で、いちおう神様の一種です。
長くなったんでいったん切ります。
人の命は短く”彼ら”をおいていく
それでも触れ合えることが嬉しくて
言葉を交わせる日々を愛おしく想う
連綿と続く彼らの傍らに変わること無き”彼ら”が今もそこにいる
猫と狐と霊酒 前編
地方都市の郊外___今は随分と開発が進み自然が少なくなりつつある。
それでも都会よりは緑豊かなこの地に、稲荷神社があった。
社の名は『冴木神社』。
宇迦之御魂大神を氏神としたその社に、銀色の狐がいる。
彼の名前は銀太郎。
宇迦之御魂大神の神使にして、冴木神社を見守り続けている狐である。
『ん?何か来る気がするなぁ』
「どうしたの?」
『何が来るのよ?』
銀太郎の呟きに聞き返した少女・冴木まこと___この神社の十五代目跡取り___は落ち葉の掃き掃除の手を止め見遣った。
何処かムッとした表情で銀太郎に問う子供ような狐・ハル___冴木神社に下宿している少年に付いて来た___は社の屋根から銀太郎を覗き込んだ。
『マオが』
『マオ?』
「あー、マオ君?」
ハルは不思議そうに名前を繰り返した。
『確かにそろそろかなぁ』と、納得した顔で頷いたのはまことだ。
疎外感に唇を尖らせたハルに、銀太郎が密やかに溜め息を零す。
まことと反対側を掃除していた少年・神尾悟が竹箒とちりとりを持って近づいて来た。
どうやら終わったようだ。
「朝食がもうすぐできるって」
「うん、分かった!」
『悟ー、学校?』
「そうだよ」
まことは手早く先ほどまでで集めた落ち葉をちりとりに入れる。
その脇で悟に上から飛びついたハルを、悟は危なげなく受け止めた。
高校生である彼らの朝は何かと慌ただしい。
いそいそとゴミを纏めたり、箒を収納して、着替えなくてはならない。
「ギン!私たち行くね?」
『おう、とっとと喰ってこい』
振り返るとにこりと笑って言うまことを、銀太郎はごろりと横になりながらひらひらと手を振る。
……どうやら寝に入るようだ。
まことと悟は連れ立て、自宅の方に行く。
そんな二人を見送りながらハルが寝転がった銀太郎の隣に腰を下ろした。
『ねぇ、マオって結局誰?』
『……会えば分かる』
好奇心旺盛な所は子供らしいが、なかなか奴を説明するのは難しく、場を濁すようにそう言うと目を閉じた。
* * * * *
あれは何時だったか。
この冴木神社に神使として住み着いて数十年が過ぎた頃だったと思う。
あの頃は自身よりも前にいた老齢な神使が名を付け、神使の生活に目新しさが無くなった頃だった。
老狐を訪ねて奴はやって来た。
奴___マオと名乗ったそいつは成猫よりも一回りばかし小さい形をした普通の猫だった。
異様なのはその色違いの瞳とその目に讃えた齢を重ねた者の持つ光だ。
最初,奴を見た時は妖かと思った。
警戒する俺を無視して、老狐と酒を酌み交わし、一年程居座るころには、随分と打ち解けたもんだ。
喰えない性格だが、嫌いじゃない。
老狐がこの世を去った後も、数年から数十年の単位で、訪ねてくる。
自身と同じように長い時を生きるマオと、酒を飲みながら懐かしい昔話をぽつりぽつりと交じわすのは嫌いじゃない。
それにアイツが持ってくる酒はなかなか上手いのだ。
最後に会ってからそろそろ十年程になる。
生きているならば、訪ねて来てもおかしくはない。
(上手い酒だと良いなぁ)
柔らかい陽射しに微睡みながら、ぼんやりとした思考で銀太郎は呟いた。
平日に社を訪ねる者は少ない。
必然的に氏神の代わりに人間の祈りや願いなどを聴き神へ送り届けたりする役目も少なく、暇になる。
と言っても、基本社を離れる事はよろしくない。
ここ百年ばかしで神使を見れる人間も減少し、人と語らう事も少なくなった。
つまりは、暇つぶしなるものがないのだ。
故に惰眠を貪る事が多くなるのも仕方ない。
眠気に銀太郎は身を委ねた。
* * * * *
本格的な寝息を立て始めた銀太郎にハルはぶすくれた。
生まれてから八十年程の年若いハルは、銀太郎のように眠っている事は少ない。
暇そうに短い足をぶらつかせながら、学校に行ってしまった悟の帰りを待ちわびる。
(暇だわ……)
ハルは一人で社の外に出た事があったが、人の町は複雑過ぎて道に迷ってしまったことがある。
いくら暇でも外に行く事は除外した。
(誰か早く来たら良いのに)
人は社の前で様々な事を祈る。
例えば、自身の恋の事。
例えば、誰かの健康の事。
例えば、何かが上手く行くようにと。
そんな声に耳をすましながら、ハルはよく彼女が大切に想っている悟に思いを馳せる。
ハルは別にこの稲荷の狐ではない。
悟と共にいることを願い、付いて来た先が冴木神社だったにしか過ぎなかった。
(悟が笑ってくれる事が多くなって良かった)
悟は両親が事故に遭ってから祖父に引き取られたものの、その祖父が亡くなり、叔母夫婦の世話になった。
叔母夫婦とその子供は何かと悟を虐げてきて、段々と時が経つにつれ悟は笑わなくなったのだ。
神使といってもハルは年若いためか力も強くなく、かといって直接的に彼らを害する訳にも行かず、歯がゆく思っていた時、冴木神社に下宿が決まった。
独りにしたくなくてハルは悟に付いて来た。
思ったよりも、ここは悪くない。
『……にしても、暇だわ』
《ここらで見ないお嬢さんだね?》
『!誰!!』
びくりと肩を揺らし、声の主に向き直る。
何処か芝居がかった口調の主は鳥居を越えて、ひらりと境内に到る。
それは、猫だった。
宵闇の色の毛は毛足が長く、赤と青の色違いの瞳がハルを見つめた。
(何、これ……?)
普通の猫と呼ぶには、ソレの気配は異様であった。
ハル達のような神使と呼ぶには、”力”の気配がおかしなくらい違った。
まるでそう、神のようだ。
しかし神が顕界に器を伴って現れるなど、この時代聞いた事が無い。
『あ、あんた誰よ!!』
威嚇するように強い口調で突っかかるも、それは恐れとの合わせ鏡。
毛を膨らませ精一杯虚勢を張る。
猫はそんなハルに一瞥くれるだけで、涼しい顔をしている。
《そんなに警戒しなくても、獲って喰いやしないよぅ》
『は、ハルが何時アンタみたいなチビに警戒したって言うのよ!!!』
《今、現在進行形でそうだと思うけど?》
『き、気のせいよ!!!!!』
《ふぅん》
にやにやと笑う猫は年を経た者が持つ喰えない雰囲気を醸す。
笑われていることに気付いたハルは顔を赤らめた。
(ぎゃ、ぎゃふんと言わせてやるんだからね!!?)
《ぎゃふん》
『……へ?』
《ぎゃふんって言ってあげたけど?》
『な、なっ…………!??』
心中を見通した猫の発言にハルは目を見開いた。
『……そろそろからかうのやめてやれ』
《やあ、銀》
『久しぶりだな、マオ』
二匹の騒がしさに目を醒した銀太郎が起き上がり、猫の首を掴んだ。
猫は宙ぶらりんの体勢だろうとも、先ほどと変わらずのんびりとした様子で片足を伸ばして挨拶する。
人間臭い猫だ。
そしてこの猫こそ、件の”マオ”である。
あんぐりと口をあげて、数瞬後___。
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
大きな叫び声が境内に響いた。
つづく
あとがきというか、ネタバレというか、与太話というか
人間は「」、神使は『』で、猫主は《》で会話が表記されてます。
神使は神眼持ち(まこととか悟)じゃないと声が聞こえたり見えたりしないんですよね。
それでも肉体(?)らしいものは持ってると思ってます。
つまりちゃんと声帯を振るわして音を出しているんです。
で、猫主はテレパシーを使って直接伝えているんですよね。
台詞のカッコの差はこんな感じで決まっています。
猫主の言ってる本体は葬神主のことです。
猫主を創った人物で、
長くなったんでいったん切ります。
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