日々徒然?になる予定
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・猫主の夢小説だよ!
・名前変換機能なんて無いから、マオ表記だよ!
・猫(?)だからCP無いよ!
・sssだよ!!
・割とキャラ偽物化しているよ!
・そろそろこの前書き無くしてもいい?
・名前変換機能なんて無いから、マオ表記だよ!
・猫(?)だからCP無いよ!
・sssだよ!!
・割とキャラ偽物化しているよ!
・そろそろこの前書き無くしてもいい?
猫と狐と霊酒 中編
六月の大祓えにはまだ日があるそんな時期だ。
冴木神社で下宿している神尾悟は剣道部の先輩に休む事を伝えた。
剣道が強いからこそ転校してきたものの、下宿先の手伝いのため休む事も多い。
世話になっているからこそ、剣道よりも悟は優先する。
その為に他の部員とギクシャクしているが、それは別の物語で語ればよい。
悟が部活に打ち込んでから帰ると大体六時過ぎる。
段々と日が長くなってくるこの時期でも、空が赤らみ夜の帳が近づいている事を告げる。
足早に歩き、高台にある冴木神社の鳥居を潜った。
裏門近くにある一軒家には既に灯が灯されている。
「ただ今帰りました」
「あ、悟君おかえり」
『悟!お帰り〜〜!!』
「お帰り、今温め直すから、着替えておいで」
『悟か、お帰り』
《お邪魔しているよ》
いつもの挨拶に、聞き覚えのないものが交じった。
通り過ぎようとする足を止めて、居間を悟は覗いた。
見慣れた面々の間に見慣れないモノ___猫がいる。
長い毛足の藍鉄色の体毛が人影の間から覗く。
「あの……」
「ん?どうかしのかい」
「……いえ、すぐ着替えて来ます」
悟はいつも通りに笑いかけて来たこの神社の神主にしてまことの父___冴木達夫に言い隠り、一先ず部屋に引っ込んで、制服を掛けてくることにした。
そんな悟の後ろをちょろちょろと付いてくるのはハルだ。
短い手足でいそいそと追いかけてくる姿は微笑ましいものを感じる。
手早く自室として借り受けている部屋に、制服をハンガーに掛け、剣道道具を壁際に立てかける。
ラフな部屋着に着替え、居間へと足を向ける。
テキパキと達夫がご飯の配膳をし、まことがみそ汁を温めているナベの前で温まるのを待っている。
ふと振り返ったまことが悟が来たことに気付きはにかむ。
「おかえりー!もう少ししたらお味噌汁が温まるから待っててね」
「おかえり、悟君。お茶を出してくれないかな」
「ただいま帰りました」
悟は達夫に頼まれて、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出し、更にコップを出す。
三つ並べてから注ぎ、食卓のそれぞれの席に配った。
その間に達夫は本日のメイン___カツオのたたきを皿に分け、肉じゃがを大皿に盛った。
後は香の物の柴漬けと塩揉みされたキャベツが並んだ。
「ご飯、よそっていい?」
「うん、いいよ」
「そう言えば、マオ君食べる?」
《いや、いらないよ》
「そっか」
知らない声___と呼ぶには直接頭に響いた音に悟は驚いた。
悟は声の主を警戒するに視線を走らす。
《ここだよ、君の足下》
言葉の通りに足下へと目を向けると毛足の長い猫がいた。
色違いの瞳には面白そうに笑っている、人間臭い猫だ。
足にすり寄る姿は普通の猫と変わらず、気のせいだったんでじゃないかと思えてくる。
「マオ君、牛乳飲む?」
《うん、じゃあもらうよ》
達夫が悟の足下を覗きながら___つまりマオに目をやりながら訪ねてきた。
この猫が”マオ”なのは間違いない。
しかし、神使ではないのも分かった。
なぜなら達夫が見えている。
神使が神眼を待たない者には見る事ができない存在だ。
それを有していない達夫がみえているのだから、事実そうであるのだ。
では、これ一体何か。
《自己を何者であると証明することは難しい。
君の予想通り僕は神使ではないよ》
びくりと悟は肩を揺らした。
確かに悟の思考を簡単に読み取ったのだ。
怪し気ににたりと笑う猫は怪談に出てくる化け猫のようだ。
ひやりと背筋が冷えた。
『マオ、脅かすな』
《いやー、良い反応してくれて、面白くてさー》
「え?」
さっきまでの緊張を孕んだ空気が一転、和やかなものに変わる。
仲良さげに会話を始めた銀太郎と猫__マオを、呆然と見つめる。
「悟君?ごはんだよー」
悟の心情を置き去りにして、まことがにこやかに声を掛けた。
席に着いて湯気をたててる食事に、悟は釈然としない面持ちで食べ始めた。
つづく
あとがき
長くなったんでいったん切ります。
まこと親子ってこう、警戒心とかをどっかに置いて来た程の、人が良い人たちです。
対して悟少年は幼少の過ごした環境のせいで、得体の知れないもの(猫主)への警戒心は強そうですよね。
時期は三巻ぐらいのイメージです。
悟少年も随分と慣れ始めた頃だと思います。
まぁ、まだまだ固いんですけどね(笑)。
相変わらず、タイトルの霊酒にまで辿りつけませんっ……orz。
後編で漸く書けそうです。
ではでは。
六月の大祓えにはまだ日があるそんな時期だ。
冴木神社で下宿している神尾悟は剣道部の先輩に休む事を伝えた。
剣道が強いからこそ転校してきたものの、下宿先の手伝いのため休む事も多い。
世話になっているからこそ、剣道よりも悟は優先する。
その為に他の部員とギクシャクしているが、それは別の物語で語ればよい。
悟が部活に打ち込んでから帰ると大体六時過ぎる。
段々と日が長くなってくるこの時期でも、空が赤らみ夜の帳が近づいている事を告げる。
足早に歩き、高台にある冴木神社の鳥居を潜った。
裏門近くにある一軒家には既に灯が灯されている。
「ただ今帰りました」
「あ、悟君おかえり」
『悟!お帰り〜〜!!』
「お帰り、今温め直すから、着替えておいで」
『悟か、お帰り』
《お邪魔しているよ》
いつもの挨拶に、聞き覚えのないものが交じった。
通り過ぎようとする足を止めて、居間を悟は覗いた。
見慣れた面々の間に見慣れないモノ___猫がいる。
長い毛足の藍鉄色の体毛が人影の間から覗く。
「あの……」
「ん?どうかしのかい」
「……いえ、すぐ着替えて来ます」
悟はいつも通りに笑いかけて来たこの神社の神主にしてまことの父___冴木達夫に言い隠り、一先ず部屋に引っ込んで、制服を掛けてくることにした。
そんな悟の後ろをちょろちょろと付いてくるのはハルだ。
短い手足でいそいそと追いかけてくる姿は微笑ましいものを感じる。
手早く自室として借り受けている部屋に、制服をハンガーに掛け、剣道道具を壁際に立てかける。
ラフな部屋着に着替え、居間へと足を向ける。
テキパキと達夫がご飯の配膳をし、まことがみそ汁を温めているナベの前で温まるのを待っている。
ふと振り返ったまことが悟が来たことに気付きはにかむ。
「おかえりー!もう少ししたらお味噌汁が温まるから待っててね」
「おかえり、悟君。お茶を出してくれないかな」
「ただいま帰りました」
悟は達夫に頼まれて、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出し、更にコップを出す。
三つ並べてから注ぎ、食卓のそれぞれの席に配った。
その間に達夫は本日のメイン___カツオのたたきを皿に分け、肉じゃがを大皿に盛った。
後は香の物の柴漬けと塩揉みされたキャベツが並んだ。
「ご飯、よそっていい?」
「うん、いいよ」
「そう言えば、マオ君食べる?」
《いや、いらないよ》
「そっか」
知らない声___と呼ぶには直接頭に響いた音に悟は驚いた。
悟は声の主を警戒するに視線を走らす。
《ここだよ、君の足下》
言葉の通りに足下へと目を向けると毛足の長い猫がいた。
色違いの瞳には面白そうに笑っている、人間臭い猫だ。
足にすり寄る姿は普通の猫と変わらず、気のせいだったんでじゃないかと思えてくる。
「マオ君、牛乳飲む?」
《うん、じゃあもらうよ》
達夫が悟の足下を覗きながら___つまりマオに目をやりながら訪ねてきた。
この猫が”マオ”なのは間違いない。
しかし、神使ではないのも分かった。
なぜなら達夫が見えている。
神使が神眼を待たない者には見る事ができない存在だ。
それを有していない達夫がみえているのだから、事実そうであるのだ。
では、これ一体何か。
《自己を何者であると証明することは難しい。
君の予想通り僕は神使ではないよ》
びくりと悟は肩を揺らした。
確かに悟の思考を簡単に読み取ったのだ。
怪し気ににたりと笑う猫は怪談に出てくる化け猫のようだ。
ひやりと背筋が冷えた。
『マオ、脅かすな』
《いやー、良い反応してくれて、面白くてさー》
「え?」
さっきまでの緊張を孕んだ空気が一転、和やかなものに変わる。
仲良さげに会話を始めた銀太郎と猫__マオを、呆然と見つめる。
「悟君?ごはんだよー」
悟の心情を置き去りにして、まことがにこやかに声を掛けた。
席に着いて湯気をたててる食事に、悟は釈然としない面持ちで食べ始めた。
つづく
あとがき
長くなったんでいったん切ります。
まこと親子ってこう、警戒心とかをどっかに置いて来た程の、人が良い人たちです。
対して悟少年は幼少の過ごした環境のせいで、得体の知れないもの(猫主)への警戒心は強そうですよね。
時期は三巻ぐらいのイメージです。
悟少年も随分と慣れ始めた頃だと思います。
まぁ、まだまだ固いんですけどね(笑)。
相変わらず、タイトルの霊酒にまで辿りつけませんっ……orz。
後編で漸く書けそうです。
ではでは。
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