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日々徒然?になる予定
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支部でうp予定の『ひととせ』シリーズのキャプション用sss

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カイジョウから北西に行った所にあるシュウトクという山間の町に来たクロコとカガミ。
カイジョウの時と違って特別に問題が起きているようではないみたいだ。

『なんでココに来たんだ?』
「ここで珍妙なものを持っている緑色の兎の目撃情報があったからです」
『……それでいいのか、キセキェ』
「そんなことよりも、行きましょうか」
『無視はいくない……ってあれじゃね?』
「え、あぁ。あれです」

二人の視線の先には揺かご(人間の赤ん坊用)にみっちりと詰まった緑の兎とそれを甲斐甲斐しく世話を焼いている青年がいた。
見つめられている事に気付いた青年がいち早くクロコ達の方に向き直る。

「あー、アンタがクロコ?」
「僕がそうですが……君は?」
「俺? 俺はタカオ! シンちゃんの相棒だぞ」
『下僕なのだよ』
「もーシンちゃんのツンデレさん!」
『誰がツンデレなのだよ!!』
『…………あいつって、あんな感じなのか?』
「えぇ、彼__ミドリマ君は、あんな感じの結構率直になれない系の変な魔獣です」
『……変、なのか?』
『誰が変なのだよ!!』
「も~、仕方ないよシンちゃん。シンちゃんはツンデレ属性以外にも、語尾の『なのだよ』とか、マジあざと可愛い。びっくりした時なんて『ナ、ナノダトーー!?』とか叫んでマジ可愛い。ミヤジさん__シュウトクの有名占い師ね__のラッキーアイテムを頑張って身につけようとしてる姿はグゥかわでね、俺に『つけるのを手伝うのだよ!』と涙目で怒るの。マジ____」
『黙るのだよ、タカオ!!』
「ゴブフォッ!!!」

ミドリマから放たれた礫がタカオの腹にめり込んで、タカオを吹っ飛ばした。それに慌てたのは常識と良識を兼ね備えた魔獣カガミだ。

『ちょ、相手人間だから! 死ぬから!』
『??? タカオは死なないのだよ?』
「そんなことよりも、じつはかくかくしかじかこれこれうまうまでして、簡単に言えばお金ください」
『それは……すまない、のだよ。生憎人間の使う硬貨など持ってないのだよ……タカオを起こすか』
『え? って起きるのか?』
『うむ、《てーつの、ターカーオー むーてきの、ターカーオー》』
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん!! タカオちゃん復☆活」
『…………あれ、人間か?』
「さぁ、分かりません。僕はお金が手に入るなら何でもいいです」
『クロコェ……』
「うんうん。じゃーこの間一緒に採った薬草で良いんじゃない?」
『あれか?』
「つーわけで、結構値段のする薬草! 滅多に取れないから乾燥してんのでも、良い値段で買い取ってくれるぜ? 薬の材料に使っても良いし」
「そうですか。ありがとうございます」

そう礼を言うクロコにタカオは人懐っこい笑顔をのせて、そっと顔を近づけた。

「うん、それは別に良いんだ。俺でもそんな率直なこと言われた事ないのになぁ。言っておくけど……………………シンちゃんは、 オ レ の だよ?」

にっこり笑うタカオであったが、目がまるっきり笑っていない。
ギラギラとクロコを睨みつけていた。

「『……はい』」

こうしてゾッとするような笑顔に見送られて二人は次の町へ旅立った。
心にもう二度とシュウトクの地を踏まないと誓って。





『冬の終りを想い、』 青桃

シュウトクを出て北北東にあるトウオウという川辺にある町に来たクロコとカガミ。
クロコは行き先を決めてるらしく、そのまま町外れまでやって来た。

『なぁクロコ、飯屋にしろ宿屋にしろこんな外れにはないんじゃねーの?』
「本当に君は……食べる事しか頭にないんですか?」
『そういうオマエは金のことばっかじゃねーか』
「世の中先立つものが大切なのです。借りてる先がオタマロですし」
『ちょ、この世界観的にそれダメだろ!』
「君の発言も中々にメタ発言だと思いますよ。さぁ、つきました」

そうクロコが立ち止まったのは薬草やらが吊るして干されていたり、おどろおどろしい人形が飾られている一軒家だった。

『なんかスッゲー変な臭いがすんだけど』
「失礼します」
『無視かよ!』
「いらっしゃい__ってテツ君!? すっごい久しぶりだねぇ! なにか用が?」
「カガミ君彼女はモモイさんと言いまして、凄腕の薬師です。モモイさん、彼はカガミ君で今の僕のパートナーです」
「へー、初めましてカガミ君! 私はモモイ。色んな薬草とかから薬を作ってるんだ!あー!! 今お茶を____」
「モ、モモイさん! 実は頼みたいことがありまして。かくかくしかじかこれこれうまうま、と言う訳でして」

お茶を入れようとするモモイを急いで止めつつこれまでの経緯を話すクロコ。

「もー。アイツ本当にダメ何だから! テツ君なんかお礼するから、アイツ殴っておいてくんないかな?」
「分かりました。後コレであれを作って欲しいのですが……」

そうやってそっとクロコが取り出したのはミドリマ達から受け取った薬草とキセから巻き上げたゲフンゲフン貰った鉱物を取り出した。
材料を確認したモモイはしっかりと頷く。

「うん! これなら大丈夫だよ!」
「ではその間にアオミネ君で憂さ晴らししてきますね」
「気をつけていってらっしゃーい!」

こうして見送られてクロコとカガミはモモイに教えられた川の上流にいった。
そこには風を纏った黒彪が熱心に水面を見つめていた。
クロコとカガミはそろりそろりと近付いて____。

「イグナイト!!」
『ぐぎゃんん!?!?』
『って、何で俺の出番奪うんだよー!?』
「では、カガミ君。【ほのおのうず】です」
『俺、ポケ●ンじゃねーよ!?』
『いたたた……ってテツか!? いくらオメェーでも手加減しないぜ』
「っ……仕方ありません。奥の手です」
『いや、まだ何もやってないんだけど!?』

突っ込むカガミをスルーして、クロコは懐から一冊の手帳を取り出した。

「君の痛々しい黒歴史をトウオウどころか全国にばらまきますよ」
『地味に恐ろしいんだけど、クロコ!』
『おおおおおお、おれに、く、くろれきし、なん、て』
『テメェは動揺し過ぎだ!!』
「えー、と“おまえの光はあわ過ぎる”に、“俺に勝てるのは___”」
『だああああああああ!やめろおろおおおおおおおおお!! やめろ、ください』
「おやおやいつから君はバカガミ君みたいになったのでしょう」
『おい、さりげなく俺をディスんな』
「君が金目のものを僕に提出するかタコ殴りにされるか選んで下さい☆」
『俺の宝って____』

下衆い発言をする真っ黒子様に恐れたのか、アオミネはどっからか自分の宝を持って来た。

「…………」
『なんだ、コレ』

アオミネが持って来たのは八割がセミの抜け殻で、残り二割はザリガニ(の殻)だった。
クロコの借金返済の足しにもならないだろう。

「イグナイト・廻!!!」
『ぼぶげ!?』
「僕の気が済むまで殴りますね★」
『ぎゃああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ』
『オレ ハ ナニ モ ミテ イナイ』

にこにこと背筋が凍るような微笑みを乗せたクロコが腕を解しながらアオミネに近付く。
野生の感が優れているアオミネはその時命の危機を感じたとか。
クロコの現相棒であるカガミはツッコミを放棄して明々後日の方向を向いている。
現実逃避か。
その日トウオウの近くに断末魔が響き渡ったのであった。



おまけ

「はい! できたよ!! テツ君♥」
「ありがとうございます、モモイさん」

そう言ってモモイからガラス瓶に入れられた蛍光ピンクの液体を懐にクロコはしまった。

「これでアカシ君対策ができました」
『アカシ?』
「えぇ、キセキの一体で絶賛廚二病を煩っている魔獣です」
『ちゅーに病?』
「……まぁ、痛々しい精神の未熟でしょうか」

理解が及んでいないカガミにそうクロコは濁した。
説明が面倒だったのだろう。

「テツ君! お腹空いてない? 私が____」
「モ、モモイさん!! アオミネ君がとてもお腹空いて仕方がないと言っていましたので、彼にあげて下さい」
「え、でも……」
「どうぞ、お気になさらず。今日はもう宿もとって夕飯分も支払い済みですので」
「そっか、それじゃあ仕方ないね」
「では、失礼します」
「うん、気をつけてね」

クロコとカガミはモモイ宅を後にした。
カガミは不思議そうに首を傾げる。

『まだ、宿とってなかったよな?』
「そうですね」
『モモイのところでお昼でも良かったん「死にたいんですか」
『え?』
「モモイさんは薬を作る事に関してはすごく天才的ですが、人知を越えた料理(ダークマター)の作り手です。彼女ならアオミネ君の駆逐も料理(ダークマター)できます」
『え? それって料理? つーか、アオミネに押し付けたよな!?』
「身代わりです」
『酷!? アオミネ、強く……生きろよ…………』

散々暴君だとか言われている某魔獣の生存をカガミは遠くから祈るのであった。




今回はこれでおわり!

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