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日々徒然?になる予定
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965バス
KKS(予定)です
パロディもの
舞台イメイージは月\香\\日/輪先生の『大/江戸\妖\\怪か\\わ\\\ら版』
原作を知らない方は、人の代わりに妖怪だけがいる江戸時代風の世界と思ってくれればおk

kskは人間で中二
相棒&高校生時のチームメイトは妖怪










人ならざるモノが寄り添うようにある世界の物語。
このが世界には純粋なる人はいない。
純粋な人は異なる世界の軸より落ちてしまった迷子。
それらの子らを『キセキ』と呼んだ。

人魚の涙


黄瀬涼太は溜め息をついた。
この人間がいない奇妙奇天烈な世界に落ちてしまってから口から吐かれる吐息は増えている。
幸せ逃亡中っス、なんて現実逃避めいたことを内心零した。
唯一救いだったことは同中の同じバスケ部の面々__キセキの世代と呼ばれ始めている赤司征十郎・緑間真太郎・青峰大輝・紫原敦・黒子テツヤも共に居てくれたおかげで、何とか心を保っていると言っても良い。
いつもの通り体育館でボールを追いかけていた時に、視界が酷く揺れ気がつけば水に落ちていた。
いきなりの水に驚き呼吸がままならず、水泡で視界が濁り上も下も解らない状態だった。
肺に水が入り、息が苦しくて、どうしたら良いか解らなくて、そんな黄瀬を誰かが引き上げた。
朧げな記憶から振り返るに、男であったと思う。
堅くしっかりとした手の平が自分の腕を掴み、水面へと引き上げた。
そのまま支えられたまま黄瀬は意識を手放した。
再び目を醒した時には心配そうに覗き込むキセキの面々がいたのだ。


(あの人結局誰だったんスかね)

「おーーい、飯だぞ!」
「火神君、今生きますね」
「あぁーん?やっと飯かよ」
「湯豆腐がいいな」
「黄瀬ちん?早く行かないと食べちゃうよ〜」
「ま、まってッス!!」

疑問を頭の片隅に放り、急いで後を着いていった。
育ち盛り、食べ盛りの男子中学生の食卓は戦場になりやすいと言っておこう。



 * * *



黄瀬達が落ちた世界は一言で言えば、時代劇なんかで見るような世界と言えるだろう。
立ち並ぶ木造の家々に瓦屋根。
現代っ子のために、もの馴れぬものの、それよりも驚いたのは個々に棲む住人達だ。
人のように暮らしているのは、皆全て妖怪なのだ。
着物に身を包んだ人と同じ大きさの猫が籠を持って『魚〜、魚はいらんかね〜』と客呼びをしながら歩いている姿は中々にシュールだ。
この間見かけた、左官職人は塗り壁だった。
無論そんな人間離れした妖怪ばかりではなく、人間に近い姿の者も多い。
よく食べに行くそば屋の女中さんはろくろ首だったし、今キセキの面々が世話になっている所の主人___火神大我は魔人と呼ばれる殆ど人間と変わらぬ姿をしている。
変わらぬ姿をしているからと言っても、身体能力や特殊能力を持っていないという訳ではないが。
幸いな事に保護された面々はお人好しの火神ともう一人の魔人・氷室辰也の保護を受けて、衣食住を手に入れる事ができている。
また元の世界に帰る術を力の強い人々が協力して探しいる。
と、言ってもキセキ達が出来る事は殆どない。
帰る術自体は存在しているのだが、世界の特定に手間取っている。
最終確認以外での特定は単なる人間であるキセキが居ても大して役にはたたない。
そのために出来た時間で観光なんかしつつ、楽しんでいた。

「どっか出かけるか?」

この世界にやって来て一週間がとうに過ぎた今日、そう声を掛けたのは家主である火神だ。
真っ赤な髪は真朱色で毛先に行くにつれ赤銅色に変化していく髪は癖があり撥ねている。
その髪の毛の間から覗く耳殻の天辺が尖っている。
人離れしていると特に感じるのは髪の色と同じ色の瞳の瞳孔が縦に割れている所と耳と大きな背丈だろう。
伸びしろがまだ残っているにしろ、紫原よりも大きい人間に会ったのは始めてだ。
それ以外は普通の人間と同じように、いや今まで黄瀬が関わって来た人間で考えれば、単純でお人好しで優しい。
そんな真っ直ぐさを持っている。
先ほどまで食べていた料理を作っているのが火神だから頭の下がる思いだ。
腹一杯に平らげた食事は勿論和食が中心だ。
本日の朝ご飯は牛蒡と鳥肉と人参とおあげの炊き込みご飯にほうれん草のおひたし・シジミのみそ汁・タクワンとキュウリのぬかずけ、メインはイワシの煮付けだ。
赤司と緑間と黒子に言わせれば、味噌と醤油があって良かったとのこと。
黄瀬は正直言えば西洋料理の方が、洒落ていて好きだが、ここで出る料理はどれも美味しい。

「俺ここでゆっくりしたい〜」
「土産買ってくるな」
「ん、お菓子よろしく〜」

一抜けをしたのはマイペースなお菓子の妖精の紫原だ。
基本的に面倒くさがりの彼も色々と見て回ったって結構満足したのだろう。
次に抜けると言ったのは、赤司だ。

「この間氷室さんに借りた本を読みたいので僕も残るよ」
「おう、分かった」
「俺も出かけるのたりーから、家に残る」

青峰も留守番希望か、と黄瀬は少々残念に思った。
キセキのメンバーが大好きだが、黄瀬は特に青峰と黒子に懐いている。
この二人と出かけられるならそれに越した事はない。

「俺は___」
「しーーんちゃん!あっそびまっしょーーーー!!」
「……高尾五月蝿いのだよ!!」
「おっはようございます!火神〜、という訳だから借りてくね!!」

緑間が口を開きかけた瞬間に火神の庵___と言っても現代の一般家庭の一軒家よりも断然大きい平屋___に突撃してきたのは烏天狗の高尾和成だ。
こちらもほぼ人と変わりない姿をしているが、背中に真っ黒な翼を持っている。
弁が立つ男で、顔も広く、人懐っこく、コミュニュケーション能力の高い男だ。
ツンデレと言う名のコミュ障な緑間をおもしろがり、構いにちょくちょくやって来る。
仕事は瓦版の物書きで色々とその羽を使って西へ東へ駆け回っている。
最近は『キセキ』であるメンバーの取材として引っ付いて、観光案内を買って出ている。
高尾個人としては緑間を気に入ったらしく、彼を連れてとっておきの所を紹介するに違いない。

「遅くなるようなら、連絡しろよ」
「はーーーい!」
「分かったのだよ」
「いってきます!!」

意気揚々と出かける高尾に渋々とした様子を取り繕いながら出て行った緑間を見送る。
キセキの中でダントツのコミュ障で、その変人っぷりでクラスとかで浮いている緑間に新しく友人が出来る事は、黄瀬にとって意外であったが、近親感が湧いた。
後は黒子と黄瀬だ。

「二人はどうする?」
「付いていきます」
「俺も部屋でゴロゴロするの苦手っス」
「じゃあ、二人な」

ちょっと待っていろよー、と言い残すと手早く朝の残りご飯をおにぎりにした。
家に残る三人用の軽食だろう。
一応通いの女中が来るので昼ご飯は心配ない。
三人は扉を潜った。



 * * *



やや街の郊外にある火神の庵を南西に向かう。
太陽の明るさから察せば、朝の九時よりも前だろう。
現代と違い、日が沈めば寝て昇れば活動する生活だから、この時間帯でも通りを歩く人は多い。
三人連れ立って歩いていると、遠巻きに視線を感じるのは常だ。
物珍し気な視線は以前より慣れたものであるが、気にならないと言えば嘘になる。
しかしながら、好奇な視線であるものの、そこに負の感情を含んでいるものが少ないのが唯一の救いと言えるだろう。
そう評したのはこの世界に迷い込んだ自分たちのリーダーの赤司の談。
マイペース過ぎる青峰・緑間・紫原は不思議そうに小首を傾げていたが、黄瀬には分かった。
黄瀬は芸能界という表面上は華やかな世界にも属しており、その水面下のドロドロとした負の感情が籠った視線に晒されたことがるから、余計だ。
嫉妬・侮蔑・嫌悪・焦燥等が宿った目は芸能界だけでなく、最近は部活内でも見られている。

(ま、天才だから仕方ないっスよねぇ)

追い縋る事の出来ない部活の同輩を思い描いた。
といっても顔なんて覚えていないが。
そんな黄瀬を放ったまま凸凹コンビが軽快に今日の観光先を見繕っていた。

「火神さん、今日は何処に行くんですか?」
「あー……人数が少ないしなぁ」
「演劇とかだったら他の面々が揃った時の方が良いでしょうね」
「それじゃ、神社にするか」
「神社ですか?」
「お前等の来訪を予知した奴に会いにいってみるか?」
「「黄瀬(君)、それで良いか(ですか)?」」
「え?何ッスか?」
「行き先は神社です」
「別に何処でもいいッスよ〜」

何処と詳しく知っている訳でもない黄瀬は一にも二にもなく頷いた。
塩の匂いはまだ、遠い。




つづく










ksk
黄瀬涼太
一応本作主人公
ksk大好きで、青峰に憧れて、黒子尊敬のワンコ
原作よりもより子供っぽく、我慢を知らない
kskだけ居ればいいんだ!と思っていた

赤司征十郎
ksk廚でkskが一番
リアル廚二病患者だが、原作形態までは進化しきっていない
ノット魔王、イエス皇帝

緑間真太郎
おは朝廚でツンデレという名のコミュ障
友達がkskの面々だけだったが、高尾と友人になった
きっと原作よりもデレ率が高い筈だ

青峰大輝
一応時間軸的にはまだまだバスケが楽しくて仕方がないピュア峰
中身小学生なアホ
バスケがしたい

紫原敦
お菓子大好きな百九十越え目前な妖精
まいう棒が恋しいが、この世界で出て来るお菓子も好き
氷室に懐いている

黒子テツヤ
バスケが楽しい影の薄い中学生
ただ才能の開花をいち早く感じ始めていて、痼りを残している



相棒
高尾和成
烏天狗
飛行能力と団扇で風を操る
瓦版で記事を書いている
その為顔が広く何かと笠松の代わり彼らを気にかけている
そのうち、緑間が気に入って割と入り浸ることに


氷室辰也
魔人
温度をと氷を操る
城勤めをしていて、キセキ達の保護者その一


火神大我
魔人
炎を操る
魔人としての力が強いが、城勤めはしてないで、半分隠居している
キセキ達の保護者その二
世話焼いたりしているのはこの人


書き始め 130822

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