日々徒然?になる予定
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・原作未読でうぃきと二次の知識しかないよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
・葬神主メインだけど藍色主もでばるよ!
・葬神主のデフォ名はフレイ!!
・藍色主のデフォ名はセツになっているよ!!
・沈黙主のデフォ名はスィレンツィオだよ!
・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・今回は本編とは関係ない番外編だよ!
・すいーつを投入してみたよ!
・すいーつの扱いが酷いよ!!
・本編のネタバレ含むかも!!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
・相変わらずご都合主義だよ!
・雁おじ大好きだ!!贔屓するよ!!
・夢小説だけど名前変換できないよ!
・葬神主メインだけど藍色主もでばるよ!
・葬神主のデフォ名はフレイ!!
・藍色主のデフォ名はセツになっているよ!!
・沈黙主のデフォ名はスィレンツィオだよ!
・一人は鯖だよ!!
・二人は使い魔だよ!!
・今回は本編とは関係ない番外編だよ!
・すいーつを投入してみたよ!
・すいーつの扱いが酷いよ!!
・本編のネタバレ含むかも!!!
・藍色主の零とは別設定だよ!
〜本編の流れ〜
雁夜さんによる葬神主サモン
↓
葬神主による爺殺害&間桐開放
↓
葬神主はスキルで式神な藍色主(藍色式)と式神な沈黙主(沈黙式)を作製
↓
雁夜さんの治療
↓
倉庫戦(イレ鱒登場!?&優雅さんフラグ)
↓
先生と同盟
↓
今回
〜すいーつ()の設定〜
名前:未定
性別:女
性格:我が侭自己中で自分が一番
猫というかぶりっ子
男にちやほやされるのが好き
性能:割とチート(そうしないと葬神主にあっという間にぷち)
七代目くらいの魔術家系 Bくらい
異性を魅了する能力がある C+くらい
備考:多重トリップ設定
行く先々で逆ハーを作り上げた
暇つぶしをしたい神様の加護を受けている
鯖:呼び出した場合
王道で赤弓&兄貴
①魅了被害者ゼロ〜小の場合
(私は愛される存在なのよ、今までもこれからも。ほら、早く迎えに来て?私はここよ。なんで令呪が宿らないの!!赤弓とか兄貴とか来るのが王道じゃない!それとも正義の味方が迎えに来てくれるのかしら。あぁ、英雄王が見初めてくれるのよね?それともランサーが私に惚れて迫って来るのかしら。ライバルはバーサーカーあたりで、私を挟んで取り合うのよね?ふふふふふふ、はやく来ないかしら___)
女はぶつぶつと呟きながら、冬木の界隈を彷徨っていた。思考は異常。その一言に尽きる。そんな空気を感じた人たちが彼女を避けていることに彼女自身は気付いていない。いや、彼女の理論からすれば当たり前に生きる多くの人々はモブにしか過ぎないと考えているからだ。
「………………かなぁ」
「……………………らしいから、良いんじゃね?」
「…………わたしもおもうよ」
ふと、女の視線は前からやって来る一行に視線が止まる。フードを目深に被った痩身の男性にやや目の死んだ紫の髪の幼女。その二人を守るように立つ白髪の男。最後の男はさておき、先の二人に女は心当たりがあった。Fate/Zeroに登場するキャラクターの間桐雁夜とその義姪の間桐桜である。白髪の男に見覚えはないが女の今までの転生した後で出逢ったどのキャラクターよりも美丈夫であった。波打つ髪は腰程に長いが、切れ長の瞳の色は紅くルビーのようだ。服自体はワイシャツにトレンチコートにズボンとシンプルな色使いだがいで、地味とすら思えるのに人目を惹く雰囲気を有していた。
(あぁ!!おじさんを助けてあげる、心優しい女の子ルートなのね!!!!)
女は晴れやかに笑う。駆け寄ろうと一歩踏み出した瞬間、女の足は凍り付く。間桐雁夜と連れ立った男の紅い紅い瞳に射抜かれた。彼女が武道に通じていたらそれがピンポイントに送られた殺気であることに気付いただろうが、守られてばかりの立場であった為今までに感じた圧迫感となり襲う。呆然としている間に彼女の目的の人物はいなくなり、誰もいない道に取り残された。
「貴女が■■■■?」
「だぁれ?」
計画の狂いからの苛立ちを隠さないまま、女は振り返る。彼女の目にはきらりと光を反射した銀と憤怒の形相をした女の顔。そして、焼け付く様な痛みが腹部を襲う。
「許さない!許さない!!私からあの人を奪って___」
「ひっ!!や、やーーーー!!やだ、しに、たく、ないッ」
悲鳴をあげる女に、追随をするもう一人の女。抵抗も侭ならぬ彼女に女は再び刃物を振りかぶった。
深山町の一角にある間桐邸は本日も平穏だ。同盟相手のケイネスと彼の弟子が間桐にあった資料をまとめつつ、他の御三家と共に聖杯調査をしデータを抽出していた。バーサーカーのおかげで比べ物にならない程___と言っても無理は禁物だが___回復しており、暇を持て余せ気味な雁夜は目に入れても痛くない義姪の桜とスィレンツィオを連れ立って食料の買い出しをして帰って来た所だ。まだまだ寒さが染みる季節だ。ぶるりと身体を振るわせた雁夜の傍を抜けて両手いっぱいに器用にもったスィレンツィオが抜けて冷蔵庫の元へ向かう。
「お帰りなさいませ。雁夜さん、桜さん、今温かいお茶を入れますのでコートを置いて手を洗って来て下さい」
ひょっこりとリビングから顔を覗かせ笑いかけたのはセツだ。桜も雁夜もこそばゆく思いながらお互い顔を見合わせ微笑んだ後、『ただいま』とはにかんだ。さらにセツの瞳がやわらかな色を乗せて笑みを深くした。
間桐の屋敷は魔術師ながらも、電化が進んでいる家庭だ。合理的と言っても良い。もしかしたら前当主には別の思惑があったかもしれないが、雁夜たちにはどうでも良い事柄だ。そのためテレビやパソコンと言った一般家庭にあって当たり前の電化製品もある。リビングに鎮座している薄型テレビもその一つだ。流しっぱなしのニュース番組に一つ新しい情報が乗せられたが、別の作業に忙しくテレビに耳を傾けている人はいなかった。
『次のニュースです。先ほど冬木市内の××丁付近で殺人事件が起きました。加害者である●●●●はそのまま凶器である出刃包丁を持ったまま警察署に出頭しました。被害者である女性は出血多量で先ほど病院内で息を引き取りました。まだ動機については詳しく解っておりません。では次のニュースに移ります』
因果は巡る
130410
②魅了被害者雁おじ陣営&先生陣営以外の場合
「停戦か……」
教会から収集令に使い魔越しから雁夜は内容を確認した。別口に話していたケイネスの使い魔も確認を取れていた。同盟をした面々がリビングに揃う。ケイネスの趣味に合わせて入れられた、アッサムがセツにより配膳される。お茶請けに用意されたイチゴのババロアに舌鼓を打ちながら、明日の収拾と停戦についてだ。
ソラウは打ち解けやや離れた所で桜の面倒をみていた。その姿に和みつつ、ケイネスは意識を切り替える。雁夜の左右にセツ・バーサーカーが座り、その後にスィレンツィオが立つ。雁夜と向かいにケイネスが座り、その後にランサーが立っている。
「こちらが昨日までに集められた情報です」
そう雁夜・ケイネス両名に膨大なデータをまとめられた束が渡された。無論冒頭の所にデータからの考察と要約文とが記載されている。魔術師ではない雁夜から見ても解り易く、その危険性がまとめられている。ケイネスも凄まじい勢いで書類に目を通し、最終確認と相成った。停戦の後押しになればそれに越した事がない、とは魔術師として生きているケイネスの談だ。神代の時代の頃は知らないが、近現代の魔術師達は己の道のために他を虐げてもいいという考えが強い。解り易く言えば、自己中心的な考えかたをしているのだ。根源に至るために多少の犠牲は仕方がないというスタンスだ。巻き込まれた方は堪ったもんじゃないとは一般人の感覚がある雁夜の発言だった。そういう聖杯解体阻止を目論むであろう輩にぐうの音も出ないように追い込まなければならないのだから、二人のマスターの力の入れようはすごい。もっとも魔術師であるケイネスも前述した思考を持っていないわけではないが、それよりも解体し構造を見てみる方が心惹かれた。降霊を中心に研究しているケイネスにとって聖杯の英霊召喚システムの方に目が行くのもさもありなん。
閑話休題。教会の収集に赴く前に論文の最終確認をしているマスター陣とバーサーカーとバーサーカーの使い魔ポジションであるセツの文人達を他所に武人組が黄昏れるのも仕方がない。チンプンカンプン過ぎて暇そうに窓の外を見遣る。日が沈み夕闇が迫って来ている。いつもよりも紅く感じる空が残した闇は酷く暗い気がした。
(何も無ければいいが)
それは誰ともない願いだろう。そうして夜が更けて行った。
停戦という喚び掛けだが何が起こるか解らないためマスター陣二人の大切な人達___ソラウと桜は二人の使い魔とセツ製の魔術トラップとスィエンツィオ製の物理トラップとケイネスの水銀という凶悪極まりない籠城に置いて来た。そうしてバーサーカーとランサーのマスターとサーヴァントが聖堂教会に辿りついたのは集合時間の十分程前だ。白い壁と植えられた芝草のコントラストが美しい建物であるが、やけに人がいないのは魔術師がそう誘導しているのは想像に難くない。木製のドアを押してやや薄暗い室内に入ればここの神父の人柄なのだろう。どこか素朴ながらも清潔感に溢れている。ドアを閉めた瞬間二人のサーヴァントが現界し、正面の人物を見遣った。礼拝堂の一番前の所に人が立っている年若い青年が会釈をし、こちらになりますと囁く様な声で四人を奥へと通した。
やや薄暗い廊下を抜けて案内された場には雁夜とケイネス以外の陣営が既に腰を落ち着けていた。そう、それだけならば別に問題なかっただろう。異様な空気をこの場は孕んでいた。マスター・サーヴァント問わず雁夜達の陣営以外の眼差しが一人の少女に注がれていた。セミロングの髪は榛色に染められ毛先を緩く巻かれ、唇には淡い桃色のルージュが乗せられ艶があるぽってりとした唇になっている。一言で言うならば、愛らしい今時の普通の少女と言えるだろう。異常と感じさせたのはそんな彼女にたいして恋情を___いや欲情と言った方が正しかろう___隠す事なく曝け出している周りの男どものせいか。
不躾にならない程度見遣った後、近場の空いてたいた席にマスター陣は腰を下し、サーヴァントは後に控えた。そしてそう時間も立たずに聖杯戦争の監督役である言峰璃正が入って来て、今回の停戦についての資料などを用いて全体に説明している。雁夜とケイネス達が用意してきたのは第三次聖杯戦争についての資料と現在分かっている霊脈への影響についてのデータであるのに対して、どうやら件の少女が提出したのは大聖杯がある洞窟まで足を運んでそこから得たデータより書かれたものらしい。二つの資料があれば聖杯戦争中止も難しくなかろう。一先ず停戦の目処が立ち、雁夜はほぅっと溜め息を零す。
なんやかんやでほぼ滞りなく収集会は終了し、本格的な停戦への対外政策も方向性は決まった。後は対外政策をいかにして上手くやるかだろう。いくら根源に至る可能性があっても、今の汚染状況だとかなり広範囲に被害が行く事が予測される。最低でも冬木市の半分が汚染され、最高は日本列島丸ごと危ないのではないかというのがケイネスの見立てだ。日本列島丸ごとでは秘匿はほぼ無理であるだろうし、世界有数の霊地である冬木には移入した魔術師も多い。豊かな霊脈がある土地だからこそできる魔術もあり、この地に関連する魔術師達から賛同を得られれば時計塔での説得もできる見立てだ。
雁夜とケイネス達が連れ立って退出しようとし出口に向う途中だった。後から声を掛けられて四人は立ち止まり振り返った。
「すいませ〜〜ん」
猫撫で声で話し掛けて来たのは先ほどの少女だった。するりと近付き、ケイネスと雁夜の腕に柔らかな胸を押し当てながら、にこりと微笑んだ。その感触の事実に気付いた雁夜が顔を紅くし慌てて離れようとするのに対して、ケイネスは不快気に眉を寄せて少女の腕を振り払った。
「あの〜、この後ちょっとお話したい___「礼儀がなっていない」
「え?」
「はい?」
「あ、主……?」
「……」
冷ややかな眼差しで少女を睨んだケイネスがまずそう評した。面を喰らった顔でケイネスに視線が集まるとそのままケイネスの流れる様な駄目だしが語彙豊かに告げられる。曰く、娼婦のようだとか、胸を押し付けて媚を売れば誰でも靡くと思っているのか?とか、低能過ぎる行動は女性として恥ずかしくないのかと、流れるように口にする。段々少女の顔が屈辱に歪み、微笑んで話し掛けたのが嘘のようだ。そのまま靴を踏みならしながら、去って行く。
「私は、諦めた訳じゃありませんから」
不敵とも取れる笑みにぎらついた瞳の輝きにディルムッドの肩が揺れる。再び訪れた静けさに誰ともなく溜め息が漏れた。異常な雰囲気と少女。関係があるのではないだろうか、とケイネスの内に疑惑が膨れるも確証にはまだ至らない。
「まぁ、何はともあれ帰ろうか」
「ん」
「あぁ、そうだな」
「ソラウ様方も待っておりますしね」
今度こそ、四人は教会を去る。色々と先行きに暗雲が見えるが、今は家路に着く事を急いだ。大切な人が待つ家へ。
彼岸の火事を祈る
無理だろうけど、と誰かのつぶやきが聞こえた。
130415
③魅了被害者雁おじ陣営&先生陣営含む場合
幼い少女は唇を噛んだ。ほんの少しばかり過ごしただけれども、その温かさに泣きたい程幸福を感じたのに、それを壊した乱入者を脳裏に思い描く。少女を慈しむ細くしなやかな手。少女の為に失った片目と昔と変わりない優しい黒。いつも少女を考えてくれた人は、ある日突然変わってしまった。原因は知っている。あの女だ。だから少女は願った。あの人のサーヴァントにして自身の守護者に。
「おねがい、おじさんをもとにもどして」
「……それがあなたのねがいなら」
紫の髪をした少女に金色の髪をした少年は恭しく頭を垂れた。
少女の願い
その少女は満足していた。自分の周りに侍り愛を乞うキャラクター達はこんなにも私に縋っているのだ。それを恨めしそうに睨む、かつての妻なり愛人なり婚約者なりが酷く滑稽に思えて笑えた。自分が愛らしくお願いすれば彼らは何だって叶えてくれる。
(ま!私は神様に選ばれて愛されるために生まれて来た”選ばれた主人公”だもの!当然よね?)
べったりとくっ付く白髪の青年___とある転生者達には『赤弓』だの『家政夫』だの呼ばれている___が少女を後か抱きしめている。少女の手を取り口付けを送っているのはもう一人の少女のサーバントであるクー・フーリンだ。周りにはセイバーのマスターである衛宮切●がナチュラルに少女に触り、アサシンのマスターである言峰綺礼は耳元で愛を囁く。その師である遠坂時臣は遠慮勝ちにしかし期待に満ち満ちた眼差しで見遣り、そのサーヴァント・ギルガメッシュが構えと騒ぐ。さらにその周りにいるのは、ディルムッド・ケイネス・ウェイバー・イスカンダル・雁夜が囲む。
「もう、あんまり押さないでね?」
「ん、君がかわいいのが悪い」
「■■は美しいからな」
「■■、愛している」
「俺の方が愛している」
「ふん、戯言はよさんか!!我こそだ」
「もう、喧嘩しないで」
異性から愛される様な可愛らしい仕草で、場を諌めれば格好を崩して従う。
(後は、雁夜さんとこのバーサーカーとショタウニーだけね!!
みーんな、私を愛せば良いのよ)
ぎぃ、と扉が開く。扉の方に自然と目線が集まった。少女は息をのむ。淡い金髪は美しく、色違いの瞳は宝石のようだ。しなやかな筋肉がつき、その人物が少年だと気付く。童話に登場するような、完璧な皇子様然とした姿に、たらし込むための笑みを浮かべた。少女の周りは乱入者に警戒し、殺気立つ。それも当然か。少女を取ろうとするものの排除を目論む。
触れるか触れないかといった距離まで少年は近づき、唇を開いた。
「《何者も動く事能わず》
《反転せよ、反転せよ、反転せよ
祝福を呪いに
魅了を殺意に
好意を嫌悪に》」
容易く動きを封じ、あまやかに唄うのは、呪歌。少女に囁くように、或は愛を乞うように一見みせたが、言の葉がつもる度に、縛られる。耳を閉じる事も出来ないまま、心に躯に魂に染み込む。美しい少年は人形のような容貌と裏腹に、その瞳には憎悪が宿っている。殺気が少女を襲う。怖い。怖い。怖い。テープレコーダーのようにその感情だけで埋め尽くされる。
「《心を捩じ曲げるものに
最大の呪いを唄わん
この先何人現れようとも
汝を愛す者は現れない
汝の願いは永遠に叶わない
汝が弄んだ人の数だけ
汝により泣いた人の数だけ
業を背負いて彷徨え
汝、忘却を許さず
魂魄の滅びまで呪われよ!!》」
少年の瞳が感情のないものに切り替わる。少女は動けないまま無音が落ちる。ぎぃ、と再び扉が開いた。見覚えのない青年が現れる。藍色の髪の青年___セツに白髪の青年___スィレンツィオが部屋に入って来た。
「お疲れさまです」
「ご苦労。その女の魅了を封じたのだが大丈夫か?」
欠片たりとも興味無さげに青年達は目的の人物___雁夜とケイネスとディルムッドに歩み寄る。セツが小さく口早に呟くと、ようやく三人が動き出した。呆然とした様子で頭を押さえている。
「さぁ、帰りましょう?」
「桜やソラウが心配している」
「うん、何でここにいたのか……」
「あぁ!!!忌々しい……ソラウはどんな様子で___」
「あ、主置いていかないでください!!」
動けない他の面々を他所に賑やかに去っていく背中は振り返らない。少年を先頭に雁夜・スィレンツィオ・ケイネス・ディルムッドが続く。一人残った青年が小さく何かを口ずさんだ後、酷薄は笑みを浮かべ少女に歩みよる。
「人の心を弄んで楽しいですか?」
少女達は誰も口を開けない。
「貴女は随分ちやほやされて楽しんだのでしょうね。こんなに恨みつらみが溜まっているのですから。祝福が呪いに転じるのは遅いか早いかでしたでしょうね。自分に縋り付く男を嗤って、そんな自分を見て嫉妬する女を嗤って、選民思想に酔って見下して。貴女は何一つ持っていない愚者ですね。愛されていると思っていたんですか?そんなの貴女の勘違いです。貴女の魅了に騙されていただけ。誰ひとり貴女の事なんて愛していないのですよ。アイリスフィールさんや舞弥さんや葵さんを見下していたみたいですけど、貴女に彼女達の一欠片ほどの価値もないクズです」
柔らかい微笑みを浮かべていても、藍色の温度のない瞳が塵を見るように少女を映した。
(嘘よ!嘘よ!!私を愛さないなんて、嘘よ!!!私は愛されて当然の存在よ!!あんなホムンクルスや道具如きに私が劣ると!!夫に従う敷かない馬鹿な女に私が劣ると!!!)
「媚び売って、『貴方だけ』なんて囁けば男が従うとでも?貴女程度の存在で停戦が出来るとでも?すべては貴女が”神様”なんて呼んでいる下級神の異能のおかげじゃないですか」
(私には神様がついているのよ!!!このぐらい____)
「私たちにとって神を弑することが簡単ですよ」
にっこりと笑う嗤う。ちゃんと殺して差し上げますよ、と宣言した。少女は心の底から恐怖した。これは何だと。
「あぁ、お見上げを残しておきました」
口が弧を描く。出口から射し込む光で顔が影になっても、嫌に嗤う口元が脳裏に焼き付く。あぁ、悪魔みたいだ。そう思ったのは彼女一人だけではないだろう。
「貴女の記憶と記録のダイジェスト版を彼らにプレゼント致しました。もう会う事はないでしょうが、お元気で」
深々と頭を垂れて青年は出て行った。奇妙な緊張から開放されたのはそれから暫くのこと。未だに早鐘を打つ心臓を押さえながら、少女は振り向いた。先ほどまでは熱に溢れた眼差しが、冷え冷えとしたものに変わっている。
その後、少女がどうなったのかは蛇足でしかない。
130114
あとがき
どもども。
今流行(?)のすいーつ()ネタを入れてみました。
管理人あんまり逆ハーとか好きじゃないんですよね。
likeなら良いんですけど、loveは遠慮します!!って感じ。
逆ハーに限らずハーの主人公の王道って優しくて良い子じゃないですか。
こう、モテて当然!!とかの性格下衆いヤツのハーレムって絶望を落とし込みたくなるんですよね。
管理人は性格が悪いですから。
葬神主は管理人の創作キャラの中じゃ一番チートです。
ぶっちゃけ、すいーつ()を潰すのなんて楽々ですね。
一番最初に思いついたネタは③だったりします。
すいーつ()の魅了でおじさんが帰らなくなって、桜ちゃんが『おじさんを取り戻して欲しい』って願ってすいーつ()フルボッコ。
桜ちゃんのお願いを聴くのは契約条件のおかげです。
また桜ちゃんとも意識や感情が繋がっていて、彼女の感情に引きづられてこんな悲惨に。
②次に思いついたネタなんです。
小話はできたverの派生前です
葬神主の効果で魅了無効して彼岸の火事状態。
停戦をすいーつができたらverとできなかったverで別れる予定
▼できたver
鱒鯖(例外あり)魅了→停戦しようず→幸薄陣営もおk→パターン別
パターンA:すいーつがちょっかいを掛けて来る→OHANASHI→葬神主の傀儡エンド
パターンB:他陣営の女性陣と仲良くなる→桜ちゃんがお願いする→魅了ログアウト→顧みられないエンド
パターンC:他陣営の女性陣と仲良くなる→魅了された男性陣無視エンド
▼できなかったver
鱒鯖(例外あり)魅了→停戦しようず→停戦?嫌だなー、君は僕だけのもの→魅了された鱒鯖乱れての殺し合い→パターン別
パターンA:振って来る火の粉は祓う→幸薄陣営以外ほぼ原作ルート→すいーつ泥死亡→ウロブチエンド
パターンB:アイリスフィールと舞弥とセイバーと同盟→桜ちゃんがアイリスフィールを助けと願う→助ける→ほぼ原作ルート→すいーつ泥死亡→爺さんとアイリスフィール達再会→離婚&雪ん子を救出→皆仲良く蟲家に住む→大家族エンド
パターンC:アイリスフィールと舞弥とセイバーと同盟→ほぼ原作ルート→アイリスフィール器で死亡→聖杯ぶっ壊す&浄化→すいーつ生き残る(鯖死亡済み)→すいーつ凸にコロコロ→泥ダバ阻止エンド
停戦できないとすいーつに死亡フラグwwww
①は異能が呪いに変わっているver
何もしなくてもすいーつは勝手に死亡。
存在すらも認知されないwwwwwwwww
原作廚とか乖離廚とか指示廚とかが原因で。
もしくは原作キャラにコロコロされて。
安定のうろぶちです☆
雁夜さんによる葬神主サモン
↓
葬神主による爺殺害&間桐開放
↓
葬神主はスキルで式神な藍色主(藍色式)と式神な沈黙主(沈黙式)を作製
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雁夜さんの治療
↓
倉庫戦(イレ鱒登場!?&優雅さんフラグ)
↓
先生と同盟
↓
今回
〜すいーつ()の設定〜
名前:未定
性別:女
性格:我が侭自己中で自分が一番
猫というかぶりっ子
男にちやほやされるのが好き
性能:割とチート(そうしないと葬神主にあっという間にぷち)
七代目くらいの魔術家系 Bくらい
異性を魅了する能力がある C+くらい
備考:多重トリップ設定
行く先々で逆ハーを作り上げた
暇つぶしをしたい神様の加護を受けている
鯖:呼び出した場合
王道で赤弓&兄貴
①魅了被害者ゼロ〜小の場合
(私は愛される存在なのよ、今までもこれからも。ほら、早く迎えに来て?私はここよ。なんで令呪が宿らないの!!赤弓とか兄貴とか来るのが王道じゃない!それとも正義の味方が迎えに来てくれるのかしら。あぁ、英雄王が見初めてくれるのよね?それともランサーが私に惚れて迫って来るのかしら。ライバルはバーサーカーあたりで、私を挟んで取り合うのよね?ふふふふふふ、はやく来ないかしら___)
女はぶつぶつと呟きながら、冬木の界隈を彷徨っていた。思考は異常。その一言に尽きる。そんな空気を感じた人たちが彼女を避けていることに彼女自身は気付いていない。いや、彼女の理論からすれば当たり前に生きる多くの人々はモブにしか過ぎないと考えているからだ。
「………………かなぁ」
「……………………らしいから、良いんじゃね?」
「…………わたしもおもうよ」
ふと、女の視線は前からやって来る一行に視線が止まる。フードを目深に被った痩身の男性にやや目の死んだ紫の髪の幼女。その二人を守るように立つ白髪の男。最後の男はさておき、先の二人に女は心当たりがあった。Fate/Zeroに登場するキャラクターの間桐雁夜とその義姪の間桐桜である。白髪の男に見覚えはないが女の今までの転生した後で出逢ったどのキャラクターよりも美丈夫であった。波打つ髪は腰程に長いが、切れ長の瞳の色は紅くルビーのようだ。服自体はワイシャツにトレンチコートにズボンとシンプルな色使いだがいで、地味とすら思えるのに人目を惹く雰囲気を有していた。
(あぁ!!おじさんを助けてあげる、心優しい女の子ルートなのね!!!!)
女は晴れやかに笑う。駆け寄ろうと一歩踏み出した瞬間、女の足は凍り付く。間桐雁夜と連れ立った男の紅い紅い瞳に射抜かれた。彼女が武道に通じていたらそれがピンポイントに送られた殺気であることに気付いただろうが、守られてばかりの立場であった為今までに感じた圧迫感となり襲う。呆然としている間に彼女の目的の人物はいなくなり、誰もいない道に取り残された。
「貴女が■■■■?」
「だぁれ?」
計画の狂いからの苛立ちを隠さないまま、女は振り返る。彼女の目にはきらりと光を反射した銀と憤怒の形相をした女の顔。そして、焼け付く様な痛みが腹部を襲う。
「許さない!許さない!!私からあの人を奪って___」
「ひっ!!や、やーーーー!!やだ、しに、たく、ないッ」
悲鳴をあげる女に、追随をするもう一人の女。抵抗も侭ならぬ彼女に女は再び刃物を振りかぶった。
深山町の一角にある間桐邸は本日も平穏だ。同盟相手のケイネスと彼の弟子が間桐にあった資料をまとめつつ、他の御三家と共に聖杯調査をしデータを抽出していた。バーサーカーのおかげで比べ物にならない程___と言っても無理は禁物だが___回復しており、暇を持て余せ気味な雁夜は目に入れても痛くない義姪の桜とスィレンツィオを連れ立って食料の買い出しをして帰って来た所だ。まだまだ寒さが染みる季節だ。ぶるりと身体を振るわせた雁夜の傍を抜けて両手いっぱいに器用にもったスィレンツィオが抜けて冷蔵庫の元へ向かう。
「お帰りなさいませ。雁夜さん、桜さん、今温かいお茶を入れますのでコートを置いて手を洗って来て下さい」
ひょっこりとリビングから顔を覗かせ笑いかけたのはセツだ。桜も雁夜もこそばゆく思いながらお互い顔を見合わせ微笑んだ後、『ただいま』とはにかんだ。さらにセツの瞳がやわらかな色を乗せて笑みを深くした。
間桐の屋敷は魔術師ながらも、電化が進んでいる家庭だ。合理的と言っても良い。もしかしたら前当主には別の思惑があったかもしれないが、雁夜たちにはどうでも良い事柄だ。そのためテレビやパソコンと言った一般家庭にあって当たり前の電化製品もある。リビングに鎮座している薄型テレビもその一つだ。流しっぱなしのニュース番組に一つ新しい情報が乗せられたが、別の作業に忙しくテレビに耳を傾けている人はいなかった。
『次のニュースです。先ほど冬木市内の××丁付近で殺人事件が起きました。加害者である●●●●はそのまま凶器である出刃包丁を持ったまま警察署に出頭しました。被害者である女性は出血多量で先ほど病院内で息を引き取りました。まだ動機については詳しく解っておりません。では次のニュースに移ります』
因果は巡る
130410
②魅了被害者雁おじ陣営&先生陣営以外の場合
「停戦か……」
教会から収集令に使い魔越しから雁夜は内容を確認した。別口に話していたケイネスの使い魔も確認を取れていた。同盟をした面々がリビングに揃う。ケイネスの趣味に合わせて入れられた、アッサムがセツにより配膳される。お茶請けに用意されたイチゴのババロアに舌鼓を打ちながら、明日の収拾と停戦についてだ。
ソラウは打ち解けやや離れた所で桜の面倒をみていた。その姿に和みつつ、ケイネスは意識を切り替える。雁夜の左右にセツ・バーサーカーが座り、その後にスィレンツィオが立つ。雁夜と向かいにケイネスが座り、その後にランサーが立っている。
「こちらが昨日までに集められた情報です」
そう雁夜・ケイネス両名に膨大なデータをまとめられた束が渡された。無論冒頭の所にデータからの考察と要約文とが記載されている。魔術師ではない雁夜から見ても解り易く、その危険性がまとめられている。ケイネスも凄まじい勢いで書類に目を通し、最終確認と相成った。停戦の後押しになればそれに越した事がない、とは魔術師として生きているケイネスの談だ。神代の時代の頃は知らないが、近現代の魔術師達は己の道のために他を虐げてもいいという考えが強い。解り易く言えば、自己中心的な考えかたをしているのだ。根源に至るために多少の犠牲は仕方がないというスタンスだ。巻き込まれた方は堪ったもんじゃないとは一般人の感覚がある雁夜の発言だった。そういう聖杯解体阻止を目論むであろう輩にぐうの音も出ないように追い込まなければならないのだから、二人のマスターの力の入れようはすごい。もっとも魔術師であるケイネスも前述した思考を持っていないわけではないが、それよりも解体し構造を見てみる方が心惹かれた。降霊を中心に研究しているケイネスにとって聖杯の英霊召喚システムの方に目が行くのもさもありなん。
閑話休題。教会の収集に赴く前に論文の最終確認をしているマスター陣とバーサーカーとバーサーカーの使い魔ポジションであるセツの文人達を他所に武人組が黄昏れるのも仕方がない。チンプンカンプン過ぎて暇そうに窓の外を見遣る。日が沈み夕闇が迫って来ている。いつもよりも紅く感じる空が残した闇は酷く暗い気がした。
(何も無ければいいが)
それは誰ともない願いだろう。そうして夜が更けて行った。
停戦という喚び掛けだが何が起こるか解らないためマスター陣二人の大切な人達___ソラウと桜は二人の使い魔とセツ製の魔術トラップとスィエンツィオ製の物理トラップとケイネスの水銀という凶悪極まりない籠城に置いて来た。そうしてバーサーカーとランサーのマスターとサーヴァントが聖堂教会に辿りついたのは集合時間の十分程前だ。白い壁と植えられた芝草のコントラストが美しい建物であるが、やけに人がいないのは魔術師がそう誘導しているのは想像に難くない。木製のドアを押してやや薄暗い室内に入ればここの神父の人柄なのだろう。どこか素朴ながらも清潔感に溢れている。ドアを閉めた瞬間二人のサーヴァントが現界し、正面の人物を見遣った。礼拝堂の一番前の所に人が立っている年若い青年が会釈をし、こちらになりますと囁く様な声で四人を奥へと通した。
やや薄暗い廊下を抜けて案内された場には雁夜とケイネス以外の陣営が既に腰を落ち着けていた。そう、それだけならば別に問題なかっただろう。異様な空気をこの場は孕んでいた。マスター・サーヴァント問わず雁夜達の陣営以外の眼差しが一人の少女に注がれていた。セミロングの髪は榛色に染められ毛先を緩く巻かれ、唇には淡い桃色のルージュが乗せられ艶があるぽってりとした唇になっている。一言で言うならば、愛らしい今時の普通の少女と言えるだろう。異常と感じさせたのはそんな彼女にたいして恋情を___いや欲情と言った方が正しかろう___隠す事なく曝け出している周りの男どものせいか。
不躾にならない程度見遣った後、近場の空いてたいた席にマスター陣は腰を下し、サーヴァントは後に控えた。そしてそう時間も立たずに聖杯戦争の監督役である言峰璃正が入って来て、今回の停戦についての資料などを用いて全体に説明している。雁夜とケイネス達が用意してきたのは第三次聖杯戦争についての資料と現在分かっている霊脈への影響についてのデータであるのに対して、どうやら件の少女が提出したのは大聖杯がある洞窟まで足を運んでそこから得たデータより書かれたものらしい。二つの資料があれば聖杯戦争中止も難しくなかろう。一先ず停戦の目処が立ち、雁夜はほぅっと溜め息を零す。
なんやかんやでほぼ滞りなく収集会は終了し、本格的な停戦への対外政策も方向性は決まった。後は対外政策をいかにして上手くやるかだろう。いくら根源に至る可能性があっても、今の汚染状況だとかなり広範囲に被害が行く事が予測される。最低でも冬木市の半分が汚染され、最高は日本列島丸ごと危ないのではないかというのがケイネスの見立てだ。日本列島丸ごとでは秘匿はほぼ無理であるだろうし、世界有数の霊地である冬木には移入した魔術師も多い。豊かな霊脈がある土地だからこそできる魔術もあり、この地に関連する魔術師達から賛同を得られれば時計塔での説得もできる見立てだ。
雁夜とケイネス達が連れ立って退出しようとし出口に向う途中だった。後から声を掛けられて四人は立ち止まり振り返った。
「すいませ〜〜ん」
猫撫で声で話し掛けて来たのは先ほどの少女だった。するりと近付き、ケイネスと雁夜の腕に柔らかな胸を押し当てながら、にこりと微笑んだ。その感触の事実に気付いた雁夜が顔を紅くし慌てて離れようとするのに対して、ケイネスは不快気に眉を寄せて少女の腕を振り払った。
「あの〜、この後ちょっとお話したい___「礼儀がなっていない」
「え?」
「はい?」
「あ、主……?」
「……」
冷ややかな眼差しで少女を睨んだケイネスがまずそう評した。面を喰らった顔でケイネスに視線が集まるとそのままケイネスの流れる様な駄目だしが語彙豊かに告げられる。曰く、娼婦のようだとか、胸を押し付けて媚を売れば誰でも靡くと思っているのか?とか、低能過ぎる行動は女性として恥ずかしくないのかと、流れるように口にする。段々少女の顔が屈辱に歪み、微笑んで話し掛けたのが嘘のようだ。そのまま靴を踏みならしながら、去って行く。
「私は、諦めた訳じゃありませんから」
不敵とも取れる笑みにぎらついた瞳の輝きにディルムッドの肩が揺れる。再び訪れた静けさに誰ともなく溜め息が漏れた。異常な雰囲気と少女。関係があるのではないだろうか、とケイネスの内に疑惑が膨れるも確証にはまだ至らない。
「まぁ、何はともあれ帰ろうか」
「ん」
「あぁ、そうだな」
「ソラウ様方も待っておりますしね」
今度こそ、四人は教会を去る。色々と先行きに暗雲が見えるが、今は家路に着く事を急いだ。大切な人が待つ家へ。
彼岸の火事を祈る
無理だろうけど、と誰かのつぶやきが聞こえた。
130415
③魅了被害者雁おじ陣営&先生陣営含む場合
幼い少女は唇を噛んだ。ほんの少しばかり過ごしただけれども、その温かさに泣きたい程幸福を感じたのに、それを壊した乱入者を脳裏に思い描く。少女を慈しむ細くしなやかな手。少女の為に失った片目と昔と変わりない優しい黒。いつも少女を考えてくれた人は、ある日突然変わってしまった。原因は知っている。あの女だ。だから少女は願った。あの人のサーヴァントにして自身の守護者に。
「おねがい、おじさんをもとにもどして」
「……それがあなたのねがいなら」
紫の髪をした少女に金色の髪をした少年は恭しく頭を垂れた。
少女の願い
その少女は満足していた。自分の周りに侍り愛を乞うキャラクター達はこんなにも私に縋っているのだ。それを恨めしそうに睨む、かつての妻なり愛人なり婚約者なりが酷く滑稽に思えて笑えた。自分が愛らしくお願いすれば彼らは何だって叶えてくれる。
(ま!私は神様に選ばれて愛されるために生まれて来た”選ばれた主人公”だもの!当然よね?)
べったりとくっ付く白髪の青年___とある転生者達には『赤弓』だの『家政夫』だの呼ばれている___が少女を後か抱きしめている。少女の手を取り口付けを送っているのはもう一人の少女のサーバントであるクー・フーリンだ。周りにはセイバーのマスターである衛宮切●がナチュラルに少女に触り、アサシンのマスターである言峰綺礼は耳元で愛を囁く。その師である遠坂時臣は遠慮勝ちにしかし期待に満ち満ちた眼差しで見遣り、そのサーヴァント・ギルガメッシュが構えと騒ぐ。さらにその周りにいるのは、ディルムッド・ケイネス・ウェイバー・イスカンダル・雁夜が囲む。
「もう、あんまり押さないでね?」
「ん、君がかわいいのが悪い」
「■■は美しいからな」
「■■、愛している」
「俺の方が愛している」
「ふん、戯言はよさんか!!我こそだ」
「もう、喧嘩しないで」
異性から愛される様な可愛らしい仕草で、場を諌めれば格好を崩して従う。
(後は、雁夜さんとこのバーサーカーとショタウニーだけね!!
みーんな、私を愛せば良いのよ)
ぎぃ、と扉が開く。扉の方に自然と目線が集まった。少女は息をのむ。淡い金髪は美しく、色違いの瞳は宝石のようだ。しなやかな筋肉がつき、その人物が少年だと気付く。童話に登場するような、完璧な皇子様然とした姿に、たらし込むための笑みを浮かべた。少女の周りは乱入者に警戒し、殺気立つ。それも当然か。少女を取ろうとするものの排除を目論む。
触れるか触れないかといった距離まで少年は近づき、唇を開いた。
「《何者も動く事能わず》
《反転せよ、反転せよ、反転せよ
祝福を呪いに
魅了を殺意に
好意を嫌悪に》」
容易く動きを封じ、あまやかに唄うのは、呪歌。少女に囁くように、或は愛を乞うように一見みせたが、言の葉がつもる度に、縛られる。耳を閉じる事も出来ないまま、心に躯に魂に染み込む。美しい少年は人形のような容貌と裏腹に、その瞳には憎悪が宿っている。殺気が少女を襲う。怖い。怖い。怖い。テープレコーダーのようにその感情だけで埋め尽くされる。
「《心を捩じ曲げるものに
最大の呪いを唄わん
この先何人現れようとも
汝を愛す者は現れない
汝の願いは永遠に叶わない
汝が弄んだ人の数だけ
汝により泣いた人の数だけ
業を背負いて彷徨え
汝、忘却を許さず
魂魄の滅びまで呪われよ!!》」
少年の瞳が感情のないものに切り替わる。少女は動けないまま無音が落ちる。ぎぃ、と再び扉が開いた。見覚えのない青年が現れる。藍色の髪の青年___セツに白髪の青年___スィレンツィオが部屋に入って来た。
「お疲れさまです」
「ご苦労。その女の魅了を封じたのだが大丈夫か?」
欠片たりとも興味無さげに青年達は目的の人物___雁夜とケイネスとディルムッドに歩み寄る。セツが小さく口早に呟くと、ようやく三人が動き出した。呆然とした様子で頭を押さえている。
「さぁ、帰りましょう?」
「桜やソラウが心配している」
「うん、何でここにいたのか……」
「あぁ!!!忌々しい……ソラウはどんな様子で___」
「あ、主置いていかないでください!!」
動けない他の面々を他所に賑やかに去っていく背中は振り返らない。少年を先頭に雁夜・スィレンツィオ・ケイネス・ディルムッドが続く。一人残った青年が小さく何かを口ずさんだ後、酷薄は笑みを浮かべ少女に歩みよる。
「人の心を弄んで楽しいですか?」
少女達は誰も口を開けない。
「貴女は随分ちやほやされて楽しんだのでしょうね。こんなに恨みつらみが溜まっているのですから。祝福が呪いに転じるのは遅いか早いかでしたでしょうね。自分に縋り付く男を嗤って、そんな自分を見て嫉妬する女を嗤って、選民思想に酔って見下して。貴女は何一つ持っていない愚者ですね。愛されていると思っていたんですか?そんなの貴女の勘違いです。貴女の魅了に騙されていただけ。誰ひとり貴女の事なんて愛していないのですよ。アイリスフィールさんや舞弥さんや葵さんを見下していたみたいですけど、貴女に彼女達の一欠片ほどの価値もないクズです」
柔らかい微笑みを浮かべていても、藍色の温度のない瞳が塵を見るように少女を映した。
(嘘よ!嘘よ!!私を愛さないなんて、嘘よ!!!私は愛されて当然の存在よ!!あんなホムンクルスや道具如きに私が劣ると!!夫に従う敷かない馬鹿な女に私が劣ると!!!)
「媚び売って、『貴方だけ』なんて囁けば男が従うとでも?貴女程度の存在で停戦が出来るとでも?すべては貴女が”神様”なんて呼んでいる下級神の異能のおかげじゃないですか」
(私には神様がついているのよ!!!このぐらい____)
「私たちにとって神を弑することが簡単ですよ」
にっこりと笑う嗤う。ちゃんと殺して差し上げますよ、と宣言した。少女は心の底から恐怖した。これは何だと。
「あぁ、お見上げを残しておきました」
口が弧を描く。出口から射し込む光で顔が影になっても、嫌に嗤う口元が脳裏に焼き付く。あぁ、悪魔みたいだ。そう思ったのは彼女一人だけではないだろう。
「貴女の記憶と記録のダイジェスト版を彼らにプレゼント致しました。もう会う事はないでしょうが、お元気で」
深々と頭を垂れて青年は出て行った。奇妙な緊張から開放されたのはそれから暫くのこと。未だに早鐘を打つ心臓を押さえながら、少女は振り向いた。先ほどまでは熱に溢れた眼差しが、冷え冷えとしたものに変わっている。
その後、少女がどうなったのかは蛇足でしかない。
130114
あとがき
どもども。
今流行(?)のすいーつ()ネタを入れてみました。
管理人あんまり逆ハーとか好きじゃないんですよね。
likeなら良いんですけど、loveは遠慮します!!って感じ。
逆ハーに限らずハーの主人公の王道って優しくて良い子じゃないですか。
こう、モテて当然!!とかの性格下衆いヤツのハーレムって絶望を落とし込みたくなるんですよね。
管理人は性格が悪いですから。
葬神主は管理人の創作キャラの中じゃ一番チートです。
ぶっちゃけ、すいーつ()を潰すのなんて楽々ですね。
一番最初に思いついたネタは③だったりします。
すいーつ()の魅了でおじさんが帰らなくなって、桜ちゃんが『おじさんを取り戻して欲しい』って願ってすいーつ()フルボッコ。
桜ちゃんのお願いを聴くのは契約条件のおかげです。
また桜ちゃんとも意識や感情が繋がっていて、彼女の感情に引きづられてこんな悲惨に。
②次に思いついたネタなんです。
小話はできたverの派生前です
葬神主の効果で魅了無効して彼岸の火事状態。
停戦をすいーつができたらverとできなかったverで別れる予定
▼できたver
鱒鯖(例外あり)魅了→停戦しようず→幸薄陣営もおk→パターン別
パターンA:すいーつがちょっかいを掛けて来る→OHANASHI→葬神主の傀儡エンド
パターンB:他陣営の女性陣と仲良くなる→桜ちゃんがお願いする→魅了ログアウト→顧みられないエンド
パターンC:他陣営の女性陣と仲良くなる→魅了された男性陣無視エンド
▼できなかったver
鱒鯖(例外あり)魅了→停戦しようず→停戦?嫌だなー、君は僕だけのもの→魅了された鱒鯖乱れての殺し合い→パターン別
パターンA:振って来る火の粉は祓う→幸薄陣営以外ほぼ原作ルート→すいーつ泥死亡→ウロブチエンド
パターンB:アイリスフィールと舞弥とセイバーと同盟→桜ちゃんがアイリスフィールを助けと願う→助ける→ほぼ原作ルート→すいーつ泥死亡→爺さんとアイリスフィール達再会→離婚&雪ん子を救出→皆仲良く蟲家に住む→大家族エンド
パターンC:アイリスフィールと舞弥とセイバーと同盟→ほぼ原作ルート→アイリスフィール器で死亡→聖杯ぶっ壊す&浄化→すいーつ生き残る(鯖死亡済み)→すいーつ凸にコロコロ→泥ダバ阻止エンド
停戦できないとすいーつに死亡フラグwwww
①は異能が呪いに変わっているver
何もしなくてもすいーつは勝手に死亡。
存在すらも認知されないwwwwwwwww
原作廚とか乖離廚とか指示廚とかが原因で。
もしくは原作キャラにコロコロされて。
安定のうろぶちです☆
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